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会員研修会

2024年3月11日

第298回 会員研修会「『ライドシェア』を正しく理解し活用しよう~『おでかけウェルカム社会』実現のツールとして~」開催

日本自動車会議所は227日、東京都港区の日本自動車会館で「第298回 会員研修会」を開催しました。リモートも併用し、全国自動車会議所など各地から計約90名に参加いただきました。

今回は「『ライドシェア』を正しく理解し活用しよう~『おでかけウェルカム社会』実現のツールとして~」をテーマに、講師には公共交通政策に詳しい名古屋大学大学院教授で地域公共交通プロデューサーの加藤博和氏をお迎えしました。

政府は4月から、一般ドライバーが有償で顧客を送迎する「ライドシェア」を全国各地で深刻化している地域交通の課題を踏まえ、新制度を創設して一定の条件下で解禁する方針を決めています。

講演では、地域の状況によって異なるライドシェア導入に関する議論について「現場と無関係な『空中戦』ばかりで、現場で必要なものが何か考えなければならない」などと地域が置き去りにされている点を取り上げ、現場目線で進めるべきだと主張しました。

2006年の改正道路運送法に伴い、市町村が地域で話し合って公共交通を自ら決める場として「地域公共交通会議」ができたことにも触れ、「限られた地域資源を生かし、『おでかけ』確保のため、できる人ができることをやる必要がある」と説明。地域のステークホルダー(利害関係者)が合意形成し、公共交通を推進するべきだとの考えを示しました。

ライドシェアのモデルとされ、オンデマンド乗合交通などを実施している各地の事例に対しては問題点等をそれぞれ指摘。その上で、ライドシェアを有効活用するには、①持続可能性の観点から運転者養成システムが重要になる➁地域の実情に合わせた適材適所な事業スキーム(枠組み)と運行形態、サービスレベルの選択が求められる③大都市部でこそ効率性を発揮できる━ことなどを挙げました。

講演全体を通じ、自身が地域公共交通プロデューサーとして国内のさまざまな地域で移動手段確保に取り組んでおり、身近で利便性が高く、コストが安い公共交通実現を現場から目指す姿勢を強調。最後に「高齢者など運転できない人でも暮らしていける社会づくりが急務」と力強く訴えました。

日 時 2024年2月27日 15:00~16:30
カテゴリー 会員研修会
場 所 日本自動車会館1階くるまプラザ(東京都港区芝大門1‐1‐30)
テーマ 「ライドシェア」を正しく理解し活用しよう~おでかけ「ウェルカム社会」実現のツールとして~
主催者

日本自動車会議所

講 師 名古屋大学大学院 教授 加藤博和氏
対象者 一般,自動車業界