2023年10月13日
第294回 会員研修会「物流の『2024年問題』を乗り越えていくために」開催
日本自動車会議所は9月26日、東京都港区の日本自動車会館で「第294回 会員研修会」を開催しました。リモートも併用し、全国自動車会議所など各地から計約80名に参加いただきました。今回は「物流の『2024年問題』を乗り越えていくために」をテーマに、講師には労働問題に詳しい立教大学教授の首藤若菜(しゅとう・わかな)氏をお迎えしました。
2024年問題とは、トラックドライバーにも時間外労働の上限規制が適用され、労働時間が短くなり、物流が停滞しかねない懸念を指しています。講演では、ドライバー不足によって「2030年には輸送能力の19・5%が不足し、2024年問題の影響と合わせて34・1%の荷物等が運べなくなると推計されている」と説明されました。
トラックドライバーの年齢にも触れ「大型、中小型トラックともに平均50歳弱で、60~70歳代もいて高齢化が目立つ一方、若年層の流入は急減している」と深刻な人手不足を指摘。トラック業界の労働条件に関しては「相対的に賃金が低く、長く働くことで現行の給与水準を保っている。今回の残業規制で、離職懸念も高まっている」と分析しました。
その上で、2024年問題を乗り越えるためには「運送会社がこれを好機と捉え、(ドライバーを途中で交代させる)中継拠点設置や(複数の物流事業者が複数の商品を同じトラック等で輸送する)共同配送、(荷物積み下ろし時間が短縮できる)パレット利用など事業の効率化や生産性の向上を進めることが必要」と強調しました。
さらに、物流は経済インフラとして国民の生活を支えていることから「持続可能な物流社会をつくることを目指し、荷主、消費者らが連携を強化して社会全体で取り組んでいくことが求められる」と訴えました。
日 時 | 2022年9月26日 15:00~16:30 |
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カテゴリー | 会員研修会 |
場 所 | 日本自動車会館1階(東京都港区芝大門1‐1‐30) |
テーマ | 物流の「2024年問題」を乗り越えていくために |
主催者 | 日本自動車会議所 |
講 師 | 立教大学 教授 首藤若菜氏 |
対象者 | 一般,自動車業界 |