2019年8月27日
NEDO、世界初の熱電発電モジュールアイシンなど4社と開発
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と物質・材料研究機構、アイシン精機、茨城大学は21日、汎用元素のみで構成する熱電発電モジュールの開発に世界で初めて成功したと発表した。
熱電発電とは、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する発電技術だ。今回、環境調和性に優れる鉄―アルミニウム―シリコン系熱電材料を高性能化させ、低温熱源を用いることでIoT(モノのインターネット)機器の駆動やBLE(ブルートゥ―ス ロー エネルギー)通信が可能となる発電量を確保することに成功し、この熱電材料を使った熱電発電モジュールを開発した。
鉄やアルミニウム、シリコンといった容易に入手可能な汎用元素のみで熱電材料を構成するため、従来のビスマス―テルル系化合物による熱電発電モジュールに比べ、熱電材料費を5分の1以下に大幅削減できる可能性があり、モジュール全体の製造コストの低減と量産化が見込める。
また、熱安定性や耐久性にも優れることから、各種IoT機器と組み合わせた自立電源一体型システムの開発の進展が期待できる。
NEDOなど4者は今後、熱電材料の合成プロセスの最適化や、組成・組織制御を通じて、さらなる高性能化を目指す。また、モジュールの安定性や耐久性向上に向けて、接合技術を改善し、モジュール構成部材について、さらなる小型化や低コスト材の採用の検討を進める。
今後、さまざまなデータを活用するスマート社会の実現に向けてIoT機器の急増が予想される中、IoT機器の駆動を支える自立電源としての普及と用途拡大への寄与を目指す。
日刊自動車新聞8月24日掲載
開催日 | 2019年8月21日 |
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カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
主催者 | 新エネルギー・産業技術総合開発機構、物質・材料研究機構、アイシン精機、茨城大学 |
対象者 | 中高生,大学・専門学校,一般,自動車業界 |
リンクサイト | NEDOニュースリリース 世界初、汎用元素のみで構成する熱電発電モジュールの開発に成功 |