2019年8月27日
上場サプライヤー4~6月期、増収増益は12社のみ
上場サプライヤーの2019年4~6月期決算が出そろった。主要自動車部品メーカー115社の営業利益は合計で4416億円だった。増販効果による売り上げ増や経営の合理化によって収益を確保したものの、鉄鋼、アルミニウムなどの原材料の上昇や研究開発・設備投資費の増加が利益を圧迫し、増収増益の企業は12社にとどまった。
通期業績予想については62社が増収を見込むものの、中国市場の低迷や韓国輸出規制といった懸念材料もあり、先行きは不透明だ。
各社合計の売上高は10兆2387億円となった。ただ、増益となったのは全体の約14%に当たる16社にとどまり、ほとんどのサプライヤーが前年を下回る実績となった。
20年3月期の通期業績予想については予想を据え置くか、または下方修正する動きが目立った。消費増税による影響については「現状では大きな影響は見込んでいない」(JVCケンウッド)といった見方が多かった。また、欧州市場では、為替の影響で営業利益減の原因になった企業が多く、第2四半期(7~9月期)以降は為替と海外市場の動向をにらみながらの事業運営になりそうだ。
世界経済は米国で良好な雇用や所得環境が個人消費を下支えし、企業活動も順調に推移した。一方、欧州ではドイツや英国での輸出が伸び悩んだ結果、減速傾向となった。中国では、企業の設備投資の低迷と輸入の減少により景気は停滞が続いている。
日本では個人消費や公共投資が後半にやや軟調となったが、輸出や設備投資は安定して伸びた。
通期業績予想は売上高が合計で42兆4401億円、営業利益が同じく2兆3813億円と、全体的に厳しい予想を見込む。米中貿易摩擦や英国のEU(欧州連合)離脱の行方、中国の経済成長鈍化や日韓問題など、政治課題が世界経済に大きく影響し始めた。先行き不透明さはさらに大きくなり、景気後退も懸念される。今後の状況も予断を許さない。
日刊自動車新聞8月24日掲載
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主催者 | 日刊自動車新聞社まとめ |
開催地 | 全国 |
対象者 | 自動車業界 |