2019年8月27日
愛媛日産、ミャンマーに合弁設立 整備事業と人材育成
愛媛日産(岡豊社長、松山市)はミャンマーに合弁会社(JV)を設立し、ヤンゴン市郊外(ラインタヤ地区)で自動車整備と板金塗装(BP)事業に乗り出す。同時に、現地の人材育成を目的にした整備研修センターも併設する。整備事業は9月、BP事業は12月に稼働し、続いて研修センターを来年4月に開校する予定だ。四国地区ディーラーで海外事業を展開するのは2013年にタイ・プーケット島に進出したトヨタカローラ徳島に続き2番目となる。
自動車ディーラーは部品メーカーなどの製造業に比べ海外進出が少ないが、近年はトヨタ系ディーラーがアジアで販売店経営に挑むケースが増えている。日産系の進出事例が少ない中、愛媛日産の取り組みは各地の地場資本ディーラーに注目されそうだ。
同社は、5年ほど前からミャンマーで旧政権と自動車検査・整備制度の創設に関して関係を深めていた。しかし、アウン・サン・スー・チー氏が率いる民主政権が発足したあと、現地での事業化が進展しなかった。このため、同社は昨秋、現地でレンタカー、タクシー事業などを営むOway(オーウェイ)の創始者ネイ・アウン氏との合弁事業に切り替えた。
両社は昨年11月、自動車整備の品質向上などで意見が一致し、覚書を締結した。続いて基本契約を締結して今年2月下旬にJⅤ設立に至った。
設立した新会社の社名は「ENATIC Automotive(エナテック オートモーティブ)Co.Ltd」で資本金は約1億3千万円、出資比率は愛媛日産が70%を握る。社長は愛媛日産の高橋照雄専務が兼務する。
現地での一連の事業展開では、初期投資を抑えるため、ラインタヤ地区でネイ・アウン氏が所有する敷地面積約1万2千平方㍍の土地にある既存建屋を改修して活用する。
整備・BP事業は愛媛日産側の5、6人の日本人スタッフを含む60人程度の規模を予定。現地の拠点長には元日産自動車海外サービス勤務経験のある相馬大作氏を迎えた。
整備事業はオーウェイが管理する500台を対象に、9月からスタートする。
整備研修センターは1年コースで、教育内容は日本での2級整備士程度の水準となり、今夏から募集を開始した。初年度の定員は50人程度だが、今後、150~200人程度と3、4倍に拡大し、急速な近代化で高まる現地の自動車整備ニーズに対応していく。
日刊自動車新聞8月22日掲載
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |