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2019年8月26日

オートバックス、外国人整備士を育成 比の大学と連携

オートバックスセブンは外国人整備士を育成する人材育成プロジェクトを始める。フィリピンの大学と提携し、来夏に同校で専門コースを新設する。整備士資格3級レベルの技能と一定水準の日本語を習得した人材をオートバックス店舗で受け入れる。日本では同社の子会社で人材派遣、育成などを手掛けるチェングロウス(関口秀樹社長、東京都江東区)が整備士教育を担う。外国人技能実習生として来日後、特定技能1号への移行を見据えて「最終的には(5段階の日本語能力試験で上から2番目の)N2レベルの日本語能力と検査員資格の取得をめざす」(関口社長)考え。深刻化する整備士不足の解消につなげる。

今夏に業務提携したフィリピンのパーペチュアル・ヘルプ大学に、自動車整備士の育成を専門的に行う新コース「オートバックスアカデミー」(仮称)を設置する。2年間の課程で、キャンパス内にあるピットで整備士資格3級相当の技能取得、日本語を学ぶ機会を提供する。

修了後は外国人技能実習生として来日。オートバックスのフランチャイズチェーン(FC)各社で組織する事業協同組合「オートサービス・インターナショナル(ASIC)」が受け皿となり、全国のオートバックス店舗で勤務してもらう。

同時に、整備士としてのさらなるスキルアップを目的に、チェングロウスが展開する講習を受講してもらい整備士資格の取得を支援する。技能実習生として3年、その後、新たな在留資格である特定技能1号に移行して働く5年間を合わせた計8年間の就労期間を視野に入れ、N2レベルの日本語能力を身に付けるとともに、最終的にはビザ取得が可能となる検査員資格の取得を目標に掲げている。

オートバックスグループは2006年からASICを通じて外国人技能実習生の受け入れを始めている。これまで200人近い人材を受け入れ、チェングロウスは福岡で実施している短期講習で整備士をめざす日本人の若手を中心に100人を超える3級整備士を育てた実績がある。

一方、パーペチュアル・ヘルプ大学には「クイックオートサービストレーニングプログラム」という自動車整備を6カ月間で学ぶ短期コースもある。これに対し、新たに設けるオートバックスアカデミーは「来日する段階から自動車整備の基礎をしっかりと学んで、日本で優秀な外国人整備士を育てる」(同)仕組みとなる。

深刻化する整備業界の人材不足はオートバックスグループも例外ではない。アフターサービスはカー用品販売とともに主力事業の一つ。オートバックスは外国人材を含めた整備士の育成、確保を通じて、FC加盟店が抱える経営課題の解決につなげていく。

日刊自動車新聞8月22日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

オートバックスセブン

対象者 自動車業界