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2019年8月26日

EV市場35年に17倍 電池密度向上で主流に 富士経済

富士経済(清口正夫社長、東京都中央区)は20日発表した電動車の世界市場調査で、2035年には電気自動車(EV)の市場が18年比16・9倍の2202万台になると予測した。EVは21年にハイブリッド車(HV)の市場を上回り、電動車の中心になるとしている。バッテリー密度の向上によって走行距離がさらに伸びるほか、量産効果で部品や材料価格が低下することなどが市場拡大を後押しするとみる。

35年時点では、HVは18年比3・4倍の785万台、PHVは同17・8倍の1103万台の市場になるとみている。HVには48㌾マイルドハイブリッド車(MHV)は含めていない。

HVの18年の世界市場は233万台。うち日本が約4割を占めた。続いて市場が大きい欧州では、HVを新たに投入するメーカーもあって需要が堅調に増加している。35年時点になると東南アジアや東アジアでも200万台弱の市場になると予測する。

ただ、長期的にみると欧州や中国では、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)、MHVに軸足を置くメーカーが増加するため、HVは他の電動車と比べると伸び幅は小幅になるとみる。

EVの18年の世界市場は前年比71・1%増の130万台と、大きく伸ばした。うち中国の市場は77万台だった。同社は環境規制や購入時のインセンティブ政策、走行距離が伸びた車両の登場によって台数が伸びたと分析する。

中国やドイツの自動車メーカーが積極的にEVを展開することから、今後の成長は中国と欧州がけん引するとみている。

PHVの18年の世界市場は前年比55%増の62万台で、うち中国が28万台だった。次いで市場が大きいのが欧州。今後も多くのメーカーがPHVの投入を進めるとみられるが、EVやHVと比べると部品点数が多くコストダウンが難しいため、市場拡大のペースは緩やかになるとみられる。

日刊自動車新聞8月22日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界