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2019年8月23日

スキャンツール補助金、月内で受付け終了も 異例の速さで予算消化

国土交通省による今年度のスキャンツール補助金が異例の速さで予算を消化している。8月16日現在の申請額は872件、補助交付申請額累計は1億403万円となっており、開始1カ月を待たずして1億円を超えた。

1億5千万円の予算消化率は69・3%。同省整備課は「昨年の補助金が早々に予算を消化したため、整備事業者が早い時期での申請を意識しているのではないか」と見ており、このペースで進めば月内の受け付け締め切りになる可能性も出てきた。 今年度のスキャンツール補助金は7月24日から公募を始めた。補助上限額は1事業場あたり15万円。開始2週間(8月8日)の時点で申請額は632件、補助交付申請額累計は7678万2千円となり予算の半分を消化していた。

申請額や交付状況については事務局のパシフィックコンサルタンツが更新しているが、夏季休暇明けはさらに件数が伸長する見込み。「このままのペースでいくと今月中には終了する可能性が高い」(整備課)状況だ。

整備課は前回以上のペースで予算を消化している背景として、「次世代車への対応も整備事業者の根底の意識としてあるのかもしれない」とも分析している。新たな認証制度である特定整備や2024年(輸入車は25年)に始まる車載式故障診断装置(OBD)車検を念頭に置いたものだが、一方で、OBD車検で特定DTC(故障コード)の検出に用いる法定スキャンツールの規格が決まっておらず、様子見の事業者がいるのもまた事実だ。

ただ、今回の補助金では、診断結果をパソコンなどで検証するための標準ファイル形式(エクセルやCSV、テキスト、PDF)で保存できることに加え、「スキャンツール本体またはパソコンなどからインターネットを通じて外部に情報を送信できるもの」との要件を新たに加えた。

スキャンツールによる診断データをビッグデータとして活用し、新サービスを生み出す機会にしたいという国の狙いも早期の補助申請を促した可能性もある。

公募期間は10月31日まで。申請額累計が予算を超える場合には期間中であっても受付を締め切る。その上で申請書提出時の消印日を基準として先着順で採択する。

日刊自動車新聞8月20日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界