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2019年8月22日

ホンダ系サプライヤーの4~6月期決算、総営業利益が14%減、四輪好調も二輪領域で苦戦

ホンダと取引が多い部品メーカー13社合計の2019年4~6月期連結決算は、売上高が前年同期比3・3%減の6749億6400万円、営業利益が同13・9%減の450億4400万円の減収減益で、営業利益率は同0・8㌽減の6・7%だった。四輪車領域で国内や中国が堅調に推移する一方で、ホンダ系部品メーカーの収益を支えていた二輪車領域のインドや東南アジアでの低迷や、金型・設備販売の減少、中国での価格競争による利益率低下などが減収要因となった。

増収を果たしたのは丸順。主要客向け自動車部品の生産が増加したほか、エンジニアリング事業における専用設備の販売が増加し、タイや中国の広州、武漢の減収分をカバーした。

減収増益は3社。テイ・エス テックは、増産効果があったものの、金型売り上げの減少と為替の影響で減収にとどまった。米州は増産効果と機種構成の改善で増収増益。ショーワは、二輪車製品の苦戦が響いて減収だったが、営業利益は原価低減効果で増益となった。ステアリング事業は、アジアと欧州での販売減で減収となるが増益を計上した。同社の脇山成俊取締役専務執行役員は「中国の四輪車事業は当初計画を上回って推移した」と振り返る。エフテックは、北米で新規大型受注を獲得。前年同期に営業損失を計上した北米事業は増産効果で大幅な増収を果たし、黒字化した。アジアは受注台数が弱含みに推移し、減収減益。日本は増収増益だった。全社的に生産効率改善とコスト削減に取り組んだ結果、営業増益を果たした。

減収減益は9社。ケーヒンは、二輪車・汎用製品、四輪車製品とも減収となった。二輪車・汎用製品は、日本におけるインド、インドネシア向け製品に加え、南米や中国で増加した。四輪車は、欧州、北米、マレーシア、タイ、中国で減少した。

全社で減益の要因は、研究開発費増や減収の影響など。日信工業は、北米、日本での四輪車製品販売増と南米、アジアにおける二輪車製品の販売増にも関わらず、為替影響で減収を強いられた。八千代工業は、日本で四輪車部品や二輪車部品の受注が減少したことで減収となり、税引き前四半期損失が前年同期に比べ拡大した。

米州は、四輪車部品受注の減少で減収となった一方、現地子会社の生産安定化が進展したことで同損失を約1億3千万円改善した。中国は、受注増で増収増益。ジーテクトは、生産台数増で量産売り上げが増加する一方で、型設備売り上げの減少で減収となった。減益要因は、型設備売り上げ減や労務費増など。前年同期は営業損失だった日本は黒字化した。北米は減収減益、欧州は増収増益。

エイチワンは、主力得意先向け自動車フレームの生産台数が日本、北米、中国で増加したものの、金型設備などの販売が減少したことで減収となった。エフ・シー・シーは、日本が二輪車用クラッチ販売減で減収減益、米国はフォードやゼネラルモーターズ(GM)向け四輪車用クラッチの販売増が他メーカー向け販売の減少をカバーして増収。

インドでは二輪車用クラッチ販売が減少する一方で、メキシコは四輪車用クラッチ販売が増加した。武蔵精密工業は、欧州市場低迷の影響で減収となり、欧州セグメントは赤字を計上した。中国は北米向け輸出減少で大幅な減益。ユタカ技研は、日本での生産基盤再編による費用発生などで営業損失を計上した。中国は、受注減や競合による利益低下などで減収減益。田中精密工業は、米国で主要顧客の新規車種立ち上げによるロッカーアームの適用拡大で増収を果たした。

20年3月期の通期業績予想については、ホンダが売上高を下方修正したが、ホンダ系部品メーカー全社は現状維持とした。

日刊自動車新聞8月19日掲載

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