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2019年8月20日

和歌山整振アンケート、整備士不足〟実態は… 6割以上が「足りている」

 

整備士不足に悩む事業場は大多数ではない―。和歌山県自動車整備振興会(磯部宏会長)がまとめた「平成30年度自動車整備業実態調査結果」から県内の整備士不足の実情が明らかになった。

9割以上の事業場が外国人材の活用に慎重な姿勢を示すなど、一般的な整備士不足のイメージだけではくくれない地方の現実が浮かび上がる。

和整振は整備士不足の実態把握に関するアンケート調査を約3年ぶりに実施した。時代の変化に合わせて外国人材に関する質問項目も初めて盛り込み、全943会員事業場のうち292事業場から回答を得た。

「整備要員は不足していますか」という問いに対して「今の要員で足りている」と回答した事業者が62・5%に達した。整備業界では慢性的な整備士不足が叫ばれて久しいが、回答上は4割にも満たない。

[ディーラーでより人手不足顕著] 「足りている」と回答した事業場のうち専業は80・4%、ディーラーは8・4%、その他(兼業・自家)は11・2%だった。一方、「不足している」は専業が54・7%、ディーラーが27・3%、その他が18・0%。全回答数のうち専業は215事業場、ディーラーは45事業場だったことを踏まえると、人手不足はディーラーがより顕著と分かる。

「貴社が求める雇用形態」の問いでは、回答の約7割が「正社員」に集まった。これを「新卒・高卒」「新卒・専門学校卒」「中途採用(40歳以上)」など7項目に分類したところ、「中途採用(40歳以下)」が31・6%で最多だった。

最も一般的な若手整備士の採用方法である「新卒・専門学校卒」は24・9%、「新卒・高卒」は18・2%にとどまった。県内では新卒採用が難しい状況にあり、多くの事業者が中途採用を重視する傾向にあることが浮き彫りになっている。

外国人材に関する質問では「受け入れたことがない」が98%を占め、県内では外国人材の活用が進んでいないことが読み取れる。今後の方針についても「今のところ外国人の雇用は考えていない」が78・1%、「将来的に必要かもしれないが現時点では予定の域を出ない」が13・4%に達し、外国人活用に慎重な姿勢を示す回答が全体の9割を超えた。

全国でも整備士不足の現状について正確に把握している地域は決して多くない。和整振は今回の調査が数量的に現状を把握することに役立ったという。永栄敬久専務理事は「調査結果には地域性が表れたと思っている。今回の結果を踏まえ、整備士不足対策に取り組んでいく」と話す。

同調査は3月下旬~4月中旬に実施した。和整振は全7支部を通じて全943事業者に全11項目からなる「平成31年度人材不足等への対応に関する実態調査表」を配布し、292事業場からアンケートを回収した。回収率は31・0%だった。

日刊自動車新聞8月16日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

和歌山県自動車整備振興会

開催地 和歌山県
対象者 自動車業界
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