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自動車産業インフォメーション

2019年8月17日

2019夏近畿の自動車業界 新車市場、登録車・軽とも需要堅調 上期は2年ぶりプラスに

10月の消費増税まで2カ月を切った。近畿地区の自動車業界では現時点で駆け込み需要は本格化していない。自動車税の税率引き下げや、自動車取得税廃止に伴い導入される環境性能割の臨時的軽減など10月以降の反動減を抑える対策の影響もあるようだ。

一方で「特定整備」や「キャッシュレス・消費者還元事業」など新制度への対応も迫られている。2019年前半の近畿の自動車業界の動向を府県別と新車や中古車、整備など業界別の全10回にわたってリポートする。

[40万台超す] 近畿2府4県の19年上期(1~6月)の新車市場は登録車、軽自動車ともに堅調に推移した。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会のまとめによると、同期間の新車販売台数(登録車と軽の合計)は6府県合計で前年同期比2・9%増の40万5181台となり、上期としては2年ぶりのプラスを確保した。軽は3・3%増の14万3983台で、上期としては3年連続のプラスを達成するなど需要の底堅さを示した。登録車も2・7%増の26万1198台で、上期として2年ぶりの増加に転じている。

総台数は1月に前年同月比5・5%増と好調なスタートを切り、2月も3・3%増と勢いを持続した。しかし、3月は3・5%減と6カ月ぶりのマイナスを喫した。これまで市場をけん引してきた軽が6カ月ぶりの前年割れでブレーキがかかるとともに、登録車も3カ月ぶりに前年を下回ったのが要因だ。年間最大の需要期は例年に比べて盛り上がりを欠き、近畿の新車市場全体にも先行き不透明感が強まった。

それでも4月は7・3%増と挽回し、新元号「令和」が始まった5月は7・6%増と19年で最大の伸び幅を記録した。6月こそ1・7%増と前月に比べて伸び幅を縮小したが、3カ月連続でプラスを確保している。

車種別で登録車は1月が5・9%増、2月も2・3%増と順調な滑り出しを見せた。3月は3・9%減と3カ月ぶりに前年を割り込んだが、4月は6・2%増、5月は8・2%増、6月も2・6%増と上期はプラスが先行した。1~6月累計で乗用車は前年同期比1・9%増で、貨物車は7・6%増と健闘した。

軽も登録車と同様の動きを見せた。1月は前年同月比4・8%増、2月は5・0%増と好調に推移したが、3月は2・7%減とマイナスに転じた。4月は9・1%増、5月は6・5%増と盛り返し、6月は0・1%増と小幅ながらもプラスを維持した。1~6月累計は乗用車が前年同期比0・7%増にとどまったのに対し、貨物車は13・1%増と大幅伸長を遂げている。

府県別の1~6月累計は全府県が総台数で前年超えを果たした。奈良の登録車がマイナスとなった以外は各府県が登録車、軽ともプラスを確保している。

[駆け込みは] 今年は10月の消費税率10%への引き上げで、新車の駆け込み需要が発生すると予想されていた。しかし、現時点で目立った動きは表れていない。過去の消費増税時のような分かりやすい現象が起こっていないのは、10月以降の反動減を抑える需要平準化策の影響もあるようだ。一方で「盆休み明けから9月にかけて駆け込み需要は本格化する」との見方もあり、今後の市場動向に注目が集まる。

日刊自動車新聞8月14日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会

開催地 近畿地区
対象者 自動車業界