2019年8月13日
経産省・国交省 高性能エアコンやLED、断熱内装 燃費改善 幅広い手法で 次期基準達成を視野に
経済産業省と国土交通省が新たに策定した2030年度の乗用車の次期燃費基準達成には、高性能エアコンやLEDランプ、内装材といった省エネ技術の搭載が重要となりそうだ。自動車メーカーの燃費改善努力を促すため、達成判定にはモード試験で反映されない技術も考慮する考えで、21年度までに燃費改善の効果が大きい項目を詰める。次期燃費基準により、電動車の普及と最新技術の搭載を後押しする。
経産省と国交省の燃費規制に関する合同審議会は6月に、30年度を目標年度とした乗用車の新燃費基準値をとりまとめた。16年度実績と比べて約3割の燃費改善を自動車メーカーに義務づける。ガソリン・ディーゼル車に加えて、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)も対象に含める。新たな燃費基準値は平均25・4㌔㍍/㍑。
両省は達成判定には、モード試験による燃費計測では反映されない燃費改善技術(オフサイクル技術)を考慮する方針。現在、検討対象に含まれるのがエアコン、LEDランプのほか、外気を遮断する効果のあるガラスや塗料、内装材など。
電気の力で走るEV・PHVにとっては、各部品の消費電力が少ないほど航続距離を伸ばすことができる。「高性能なエアコンも存在している。ユーザーにとって良い技術を普及させるためにも制度面で応援する」(国交省)と、自動車メーカーに対して先進技術の搭載を後押しする。
現行の20年度燃費基準の達成結果は、21年度にも公表される見通し。同年度までに実施する中間評価では現行基準の達成状況の確認と合わせて、達成判定で考慮する省エネ技術を詰める。次期燃費基準は、20年度以降から30年度までに基準値達成を義務付け、同年度を超えても達成できていない場合には勧告や罰金などの措置を出す。
日刊自動車新聞8月9日掲載
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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主催者 | 経済産業省、国土交通省 |
対象者 | 自動車業界 |