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2019年8月6日

18年度の整備機械工具販売、順調に拡大

自動車整備機械工具の売り上げが順調に伸びている。日本自動車機械工具協会(機工協、柳田昌宏会長)がまとめた2018年度「自動車機械工具販売実績」によると、会員29社の機械工具販売における総売り上げは前年度比2・1%増の1089億円だった。

1千億円を超えるのは6年連続。金額規模の大きいリフト・ジャッキ・プレスや車検機器、自動車総合診断装置など全19項目中10項目が前年実績を上回った。10項目のうち、リフト・ジャッキ・プレス、バッテリー・クーラーサービス機器、エンジン整備用機器の3項目は過去14年間で最高金額を記録した。

前年実績を上回ったのは自動車総合診断装置、車検機器、リフト・ジャッキ・プレス、エアコンプレッサー、バッテリー・クーラーサービス機器、エンジン整備用機器、ディーゼルエンジン用機器、注油脂機器、各種システム、環境整備機器の10項目。
柳田会長は6年連続の増加について「堅調な新車販売にリンクして前年並み、もしくは横ばいプラスで推移している。クルマの技術革新は速いスピードで進んでいるが、しっかりとついていけるように業界全体で前向きに、積極的に取り組んでいく」と述べた。

カテゴリー別では総合診断装置が同26・1%増と好調だった。検査場向け自動化ラインが自動車技術総合機構や軽自動車検査協会での新設、更新が前年を上回り、また、カーメーカー向け機器が「先進運転支援システムのモジュール、各センサーのキャリブレーション対応で増加した」(永瀬道晴流通副委員長)ことなどが寄与した。

車検機器は同8・6%増。「検査機器と接続して使用するコンピューター車検システム、SUV人気を反映してフリーローラーも伸びている。また、キャンバ・キャスタ・キングピンゲージは従来ホイール装着タイプが主流だったが、タイヤにセットして計測するタイプが増えている。その際に使用するアダプタが前年を大きく上回った」と分析した。
洗車洗浄装置は同0・2%減だった。この要因については門型洗車装置(小型・普通車用)の法定耐用年数が影響していると指摘した。「当会会員が販売した場合は15年、ガソリンスタンド業界では8年。この違いが伸び悩みにつながった」と見ている。

一方、大型車用は「ドライバーが行う洗車作業の負担軽減を目的に運送事業者が導入している。今後もこの傾向は強まっていくだろう」と説明した。
リフト・ジャッキ・プレスは同7・1%増となった。床上型2柱リフトは台数、金額ともに増加。メーカーのリコール作業の伴う需要増だという。
また、パンタグラフ型リフトも前年実績を上回った。「大都市圏における多層階工場の増加、工事費用、期間の優位性から販売を伸ばしている」と見ている。

車体整備機器は同3・0%減のマイナス。ただ、超高張力鋼板を採用した車両の増加に合わせ、ボディフレーム修正機(フロアタイプ)が金額ベースで同40・9%増と伸長するなど好調だった。また、車体計測システム、スポット溶接機も伸びている。
エンジン診断用機器は同11・9%減だった。占有率の高いスキャンツールは前年実績を下回った。スキャンツール補助金は継続しているものの「全体的には落ち着いた感がある」。ただ、OBD車検に向けて業界の動きは活発になっており、整備事業者の設備投資動向を注視していく」と指摘した。
機工協は、今年度以降の販売動向について「整備業界は大きな変化に直面している。今後いかに業界全体を盛り上げていくか。会員各社の使命だと考えている」と強調した。

日刊自動車新聞8月2日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日本自動車機械工具協会

対象者 自動車業界