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2019年8月5日

トヨタ東京自大、「国際整備科」を創設 留学生の受け入れ強化

トヨタ東京自動車大学校(上田博之校長、東京都八王子市)は、2020年4月から新学科「国際整備科」を創設する。留学生を受け入れる体制を強化することで、学生誘致に弾みをつけたい考えだ。また、トヨタ自動車が今年度から展開している新たな教育システムを活用し、日本語以外の言語での技術習得を進めることでグローバルな人材育成に弾みをつける。 新学科は、3年課程で二級整備士資格取得を目指すコース。自動車に関する知識に加えて、「日本語能力試験2級(N2)」合格も目指す。定員は40人で、留学生だけでなく日本人学生も含めひろく募集していく計画だ。通常2年間で取得する資格を3年制にすることで、ゆとりを持って学習が進められるメリットがあるとみている。

近年、同校では留学生に対して入学試験時に独自の日本語試験を行っていたが、「日本語能力が及第点に届かないが優秀な学生がおり、落とさざるを得なかった」(関係者)という状況もあり、「受け入れ幅を広げることができればより多くの外国人人材を育成できるのでは」と期待を寄せる。

また、日本語学校の学生が整備専門学校などに進学する割合が増えて学生誘致が激化する中、新学科の創設によりさらに多くの留学生を取り込んでいきたい狙いもある。加えて、トヨタ自動車は今年度から世界各国の販売店に共通した新しい教育システムを導入している。販売店エンジニア向けの社内教育システムと学校が持つ教育カリキュラムを連動させて、新技術への対応力や実務に近い知識の習得を目指している。

新教育システムは現在、日本語以外の各言語にも対応を進めているため、留学生や外国人人材にとっても言語の壁を感じることなく、画一的に技術習得が臨める仕組みづくりが進められている。来春にはトヨタ名古屋自動車大学校(川口浩二校長、愛知県清須市)、トヨタ神戸自動車大学校(大塚生介校長、神戸市西区)も「国際自動車整備科」を開設する。トヨタ系自動車大学校3校が同時に留学生の受け入れを拡大し、それらに対応した新たな教育体制を敷くことは、今後の整備士教育においても大きな一歩となりそうだ。

日刊自動車新聞7月29日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

トヨタ東京自動車大学校

開催地 東京都八王子市
対象者 自動車業界