2019年7月30日
日産、世界の生産能力60万台削減 構造改革方針 コスト低減本格化
日産自動車は25日、経営改善に向けた具体的な事業構造改革方針を打ち出した。主力の北米市場の業績不振を受けて、5月に発表した2022年度までの経営方針に対し、生産能力の縮小幅や人員の削減数を増やす。また、グローバル生産能力を60万台引き下げるとともに稼働率を17%引き上げ、モデル数は18年度比で10%以上削減して、コスト低減を加速させる。中期経営方針に対し、より着実な改革案を打ち出すことで経営改善を進める。
今回、5月に発表した「ニュー・ニッサン・トランスフォーメーション」の事業改革案で、核となるコスト削減の取り組みについてアップデートした。コスト削減の核となる生産ラインの効率改善では、18~19年度に実施する8拠点6400人の削減に加え、20~22年度で6拠点6100人の削減を実施する方針だ。人員削減数は合計14拠点1万2500人規模となり、グループも合わせた世界全従業員で約1割の人員を効率化することになる。
グローバルの年間生産能力は18年度の720万台から22年度には660万台まで引き下げ、工場稼働率は69%から86%まで引き上げる。また、「ダットサン」ブランドや小型車を中心に商品構成を見直し、グローバルモデル数を10%以上削減する。事業及び投資効率の適正化によって3千億円のコスト削減を実現し、売上高14兆5千億円、営業利益8700億円、営業利益率6・0%の達成をより確実なものとする。
西川廣人社長は、今回の事業改革を実行することで「3千億円の9割がたはめどがたつ。成長投資も含め、確実に収益を上げるようになる」と自信を示した。
日刊自動車新聞7月26日掲載
開催日 | 2019年7月25日 |
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カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
主催者 | 日産自動車(株) |
対象者 | 自動車業界 |