2019年7月27日
「予防」と「衝突」総合評価 自動車アセス 20年度から
国土交通省は、「予防安全」と「衝突安全」に分けて実施している自動車の安全性能評価(自動車アセスメント=JNCAP)を統合し、総合的に評価する制度を2020年度から導入する。これにより、ユーザーがひと目でどれくらい安全な車なのかを判断できる指標として示す。総合評価の内訳である予防と衝突の安全性能評価の公表も残す方向で検討を進め、詳細は年度内に決める。21年度の初めに、新評価制度に基づく20年度の結果を公表する方針だ。 自動車アセスは、ユーザーがより安全な車を選びやすくするために安全性能を公表するもので、自動車メーカーによる安全技術の開発促進も目的としている。
現在は、衝突安全性能と予防安全性能に分けて評価している。前者は、車がぶつかった時の乗員や歩行者の保護性能をチェックするため、前面・側面衝突試験などを行う。合計100点満点で各項目を審査し、一つ星から五つ星の5段階で評価・公表する。1995年度から実施している。
一方、後者の予防安全性能は、20年遅く2014年度に開始した。対前方車・歩行者への被害軽減ブレーキや車線逸脱抑制装置などを126点満点で評価し、「ASV+++」などで表す。
いずれも国交省所管の自動車事故対策機構(NASVA)が新型車や全面改良車を市中で購入し、年間を通じ評価試験を行っている。
20年度からの導入を目指す新たな評価は、この二つの評価結果を踏まえて、車両の総合的な安全性能をいくつかの段階に分けて示す。車がどれくらい安全なのかをユーザーにより分かりやすく伝えることで、車選びの指標として活用してもらうのが狙いだ。
導入にあたって、総合評価の表し方や予防安全・衝突安全性能内訳として残すのかといった詳細を今年度中に詰める。また、予防・衝突安全性能評価が一本化されれば、年度ごとで発表している各部門の大賞などの発表も変わる可能性がある。NASVAや有識者などからなる自動車アセスメント評価検討会で議論し、20年度から新評価方式を導入する計画だ。
日刊自動車新聞7月24日掲載
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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主催者 | 国土交通省 |
対象者 | 一般,自動車業界 |