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2019年7月26日

ダイハツ、原発廃炉の安全確保する水素触媒開発

ダイハツ工業と関西学院大学は22日、原子力発電所の廃炉の安全性を確保する「ハニカム型(蜂の巣状)水素安全触媒」=写真=を共同で開発したと発表した。原子炉の事故で炉心が加熱し、核燃料などが冷え固まった「燃料デブリ」を保管する容器内に発生する水素ガスを水に還元する。ダイハツの自動車用触媒技術を活用し、水素による燃焼・爆発の危険性を低減できる。 この技術は、福島第一原子力発電所の廃炉に向けた国家プロジェクトの一つである「廃炉加速化研究プログラム:廃棄物長期保管容器内に発生する可燃性ガスの濃度低減技術に関する研究開発」の中で開発した。

技術研究組合国際廃炉研究開発機構(IRID)が実施した試験によると、燃料デブリを水素滞留防止フィルターなどを活用して水切りした場合でも収納缶にはデブリ体積の10~50%が残留する。残留した水分は、放射線分解して水素ガスが発生する危険性がある。

そこで、0度以下の低温から1千度近い高温まで幅広い温度域で使用できる特徴や耐久性に優れる自動車用触媒を水素の還元に活用した。外部の電力を使用せずに長期間使用できる。また、デブリの収納缶は容器内のスペースが限られるため、軽自動車開発で培った小型化技術も生きたという。

今回開発した技術は、ダイハツのほか長岡技術科学大学や日本原子力研究開発機構などが進める同プログラムで研究してきた水素の処理技術やシミュレーションによる水素挙動の予測評価技術と合わせ、量産技術や活用法などを確立し、21年末までに実施する燃料デブリの取り出しで実用化したい考え。

日刊自動車新聞7月23日掲載

 

開催日 2019年7月22日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

ダイハツ工業㈱、関西学院大学

対象者 一般,自動車業界
リンクサイト

ダイハツプレスリリース7月22日 https://www.daihatsu.com/jp/news/2019/20190722-1.pdf