2019年7月22日
軽枠内で新車両区分 定員4人、最高時速60㌔ 国交省が来年度
国土交通省は、軽自動車の枠内で新たな車両区分を来年度までに創設する。原付四輪(ミニカー)と同サイズで定員は4人。最高速度を抑える一方で衝突安全基準の一部を緩和する。軽自動車より小さくて手軽な車両の活用を公共交通機関に乏しい地方や観光地などで促進する狙い。トヨタ自動車が新区分に沿った電気自動車(EV)を来春に発売する見通しだ。
国交省の検討会が新区分の素案をまとめた。車体サイズは原付四輪と同じ全長2・5㍍以下、全幅1・3㍍以下で、軽自動車よりそれぞれ0・9㍍、0・18㍍短い。全高は軽自動車と同じ2㍍、最大積載量も軽と同じ350㌔㌘以下とする。定格出力は0・6㌔㍗超(排気量換算で50~660cc以下)だが、最高速度は時速60㌔㍍以下に抑え、混合交通下で円滑に走れるよう、最高時速が60㌔㍍であることを周囲に示す車体表示も義務づける。この基準を満たせば衝突安全試験の一部を緩和したり、免除したりする。
検討会で細部を詰めた後、新車両の保安基準を定め、型式指定制度を含めた関係法令を今年度内に改正する。税額や任意保険料などもこれから詰めるが、軽自動車と同一か、やや安くなるとみられる。
国交省は、今回の新区分とは別に、軽自動車と同サイズ以下で2人乗りの超小型モビリティ枠の認定制度も受け持つ。電動化技術の進展で多様化する車両を制度面で後押しし、地域や観光地のモビリティ(移動性)を確保する。
トヨタは6月、電動化戦略の一環として、2020年に国内で最高時速60㌔㍍の超小型EVを発売する計画を発表した。17年の東京モーターショーに出展したコンセプトモデル「i RIDE」をベースとする市販車で定員は2人。軽自動車よりコンパクトなサイズを想定しており、新たな車両区分に合わせた製品になるとみられる。
日刊自動車新聞7月19日掲載
カテゴリー | 会議・審議会・委員会 |
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主催者 | 国土交通省 |
対象者 | 自動車業界 |