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2019年7月17日

経産省、「SDGs経営/ESG投資研究会報告書」を取りまとめ

経済産業省は、日本企業のSDGs(持続可能な開発目標)経営の推進によるESG(環境・社会・ガバナンス)投資の呼び込みを支援する「SDGs経営/ESG投資研究会報告書」をまとめた。大企業経営者や投資家、大学の長らをメンバーに昨年11月から6回にわたって討議してきた内容を報告書にまとめた。報告書はSDGs経営を実践するために企業や投資家が意識すべきポイントを示すとともに、議論の中から浮かび上がった課題を克服するための方策を提言している。 2015年の国連サミットでSDGsが国際目標として採択されて以降、ESGを考慮した投資が急速な広がりを見せている。ESG投資を取り込むためのSDGs経営が戦略的な意義を増す中、経産省は産官学の幅広い分野のトップの参加を得て、SDGs経営とESG投資を議論する初の試みとなる研究会を開催。このほどその内容をまとめた。

全三章で構成された報告書は、第一章でSDGsが企業や投資家に対して持つ意味、第二章でSDGs経営を実践するために企業や投資家が意識すべき点をそれぞれ整理。第三章ではこれまでの議論から見えてきた課題を六つに整理し、対応の方向性を示している。

第一章「SDGs―価値の源泉」は、多様なステークホルダーがSDGsをどのように捉えているかを概観した上で、企業がSDGsの各ゴールを達成するためのステークホルダーとの連携の方向性を提示。第二章は「SDGs経営の実践」として、抽象的になりがちなSDGsの取り組みを①社会課題と経済合理性②重要課題の特定③イノベーションの創発―などの観点から現実のものとして捉えるポイントを整理した。一、二章とも研究会でのメンバーやゲストの発言を引きながら、最前線で実践を担うリーダーの言葉を凝縮して掲載しているのが特徴だ。

第三章は、①国際的なメッセージの発信②長期視点の企業経営の推進③投資家による長期投資の促進④SDGsを通じた新市場の開拓―などの課題について、これを乗り越えるための政策提言を行っている。

第三章の中では、近江商人の「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」の精神や渋沢栄一氏の道徳経済合一説を引き合いにしながら、「SDGsは日本企業や商習慣との親和性が高い」とし、SDGsの考え方がなかった時代から日本企業がSDGsに取り組んできたことは「200年以上続く企業の約半分が日本にあるという事実によって証明されている」と評価している。

一方、実際に海外より優れた取り組みをしていても、それを発信してこなかったPR下手を改める必要にも触れている。日本企業によるSDGs経営の先進事例をより積極的に発信することで、海外の投資家が適切に日本企業を評価し、安心して投資ができる素地を作っていくことが大きな意味を持つと提言している。

日刊自動車新聞7月17日掲載

開催日 2019年6月28日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

経済産業省

対象者 一般,自動車業界
リンクサイト

経産省ニュースリリース6月28日 「SDGs経営/ESG投資研究会報告書」を取りまとめました

https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190628007/20190628007.html