2019年7月2日
運送業の労働環境改善 事業者へ認証制度 国交省が報告書
国土交通省は、トラックやバスなど自動車運送事業者の労働条件や労働環境に関する認証制度の創設を盛り込んだ報告書をまとめた。長時間労働の是正など事業者のホワイト経営への取り組み状況について、一つ星から三つ星の三段階で評価・認証する。労働環境改善の取り組み具合を明確にすることで、運転手として就職を希望する人が就職先を選ぶ時や荷主が取引先を選ぶ際に参考にできるようにする。
国交省は2018年6月に有識者や事業者団体などからなる「自動車運送事業のホワイト経営の見える化検討会」を設置。運転者不足が深刻化するなか、ドライバーの確保に向けて、求職者が安心して働ける就職先に就職できるような制度が必要となっていた。長時間労働の是正をはじめ働き方改革に積極的に取り組む事業者を見える化する認証制度の創設の検討を進めてきた。
今回まとめた報告書で、トラック・バス・タクシー事業者を対象とした新たな認証制度「運転者職場環境良好度認証制度」は求職者への情報提供を目的に、運転者の労働条件に関して評価・認証を行うように設計するとしている。
認証段階は一つ星(業界上位50%の水準以上)、二つ星(同25%の水準以上)、三つ星(同12・5%の水準以上)。認証マークは認証実施団体の決定後検討する。
法令順守や労働時間・休日、安心・安定性、多様な人材の確保・育成などの分野を認証項目とする。認証の有効期間は当面2年間。
同制度を実施する中立的な民間団体の公募を開始し、国交省や関係事業者団体などで構成する選考委員会で審査して、選定する。選ばれた実施団体で今年度内の認証制度の募集を開始する計画。
現在のトラックや貸切バスに関する評価制度としては、運行の安全性について評価・認定し、荷主や旅行業者へ提供する制度がある。新たな認証制度を通じて、運転手不足の改善や事業者の労働環境の向上につなげたい考え。
日刊自動車新聞6月29日掲載
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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主催者 | 国土交通省 |
対象者 | 自動車業界 |