2019年6月28日
日系メーカー6社5月新車 貿易摩擦下の米中で健闘
日系メーカー6社の5月の米国新車販売台数は、トヨタ自動車、日産自動車、スバルの3社が前年実績を上回った。同月の中国新車販売はトヨタ、ホンダ、スバルの3社がプラスとなった。世界第2位、第1位の両国市場はともに全需が落ち込んでいるが、日系メーカーの健闘が目立つ。米中貿易摩擦による新車市場への影響が懸念される中、今週末に大阪で開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で行われる米中首脳会談の行方が注目される。[[米は3社がプラス]] 米国の新車販売は乗用車がマイナス、小型トラックがプラスとなり、全需はわずかに前年を下回ったもよう。トヨタは小型トラックの販売が過去最高を記録。車種別では「RAV4」が過去最高、「タコマ」も19カ月連続で前年実績を上回り、新車販売をけん引した。乗用車も「カムリ」「アバロン」などが好調に推移し前年実績を上回った。
日産は、インフィニティブランドが前年実績を下回ったが、セダン「アルティマ」やSUV「パスファインダー」などでリカバーし、微増となった。ホンダは「アコード」など乗用車の不調により、3カ月ぶりに前年を下回った。スバルは2011年12月以降、90カ月連続のプラスとなり5月単月で過去最高を記録した。
[[中国はトヨタなどが大幅増]] 中国汽車工業協会が発表した中国販売実績は、前年同月比11・8%減の191万3千台と大幅なマイナスとなった。こうした中、日産は「エクストレイル」「キャシュカイ」などSUVが好調だったが、前年をわずかに下回った。マツダは新型車効果が一巡し、市場全体の低迷もあって3割近く台数を落とした。三菱自動車も販売競争が厳しい中で苦戦を強いられた。
全需がマイナスとなる中で、大幅に台数を伸ばしたのがトヨタ、ホンダ、スバルだ。トヨタは、3月発売の「アバロン」「カムリ」などのセダンの好調に加え、高級ブランドのレクサスの大幅増で2桁増となった。特にレクサスは輸入車関税の引き下げに加え、増値税減税による値下げの影響により、前年同月比1・6倍と大幅に伸ばし過去最高を記録した。スバルも関税引き下げの影響により「フォレスター」の販売が好調に推移した。ホンダは「アコード」や「CR―V」などの主力車種の販売が好調に推移し5月単月で過去最高を記録、3カ月連続の前年実績を上回った。
米中貿易摩擦によって日系メーカーが直接的な影響を受けることは少ないが、先行きが不透明な状況が続けば消費意欲の落ち込みは避けられない。各日系メーカーにおいては大市場である両国が〝稼ぎ頭〟であることはこれからも変わらず、販売低迷は収益にも影響を及ぼしそうだ。
日刊自動車新聞6月25日掲載
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主催者 | 日刊自動車新聞社まとめ |
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対象者 | 自動車業界 |