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2019年6月27日

トヨタ 全車併売を前倒し 来年5月、「地域軸」戦略を加速

トヨタ自動車は、国内販売4チャンネルでのトヨタブランド車の全車併売化を2020年5月に前倒しする。トヨタは昨年9月、チャンネル専売車を無くして22~25年を目途に全販売店全車種併売化を実施する方針を掲げた。電動化や自動運転、シェアリングなど自動車業界を取り巻く環境が加速度的に変化する中、「チャンネル軸」から「地域軸」へ一気に舵を切り、新車ディーラーにおける新たなビジネスモデルの確立を急ぐ。

全車併売化を早める方針を販売会社に伝えた。当初、トヨタは国内における販売車種を徐々に減らしながら、商品の全面改良などのタイミングに合わせて併売車を増やす方針を示していた。ただ、昨秋に計画を発表後、販売会社からはむしろ、全車併売への移行を早めるよう要望する声が高まっていた。複数チャンネルの販売会社を擁する大手がグループ会社統合の方針を決めたり、新店舗で複数チャンネルの商品を扱うといった動きが出ている。

また一部の販売現場では、併売化方針を知った顧客が系列外の専売車を求める声も上がっていた。全車併売化に踏み切る一方で、車種削減については時期を調整しながら慎重に進め、国内販売台数150万台を維持する方針だ。

年内に予定されていた専売車や併売化のスケジュールも見直す。当初、トヨペット店の「アルファード」とネッツ店の「ヴェルファイア」は19年度中に全チャンネル併売化を予定していたが、全車併売化に合わせて20年5月に後ろ倒しする。また、19年度に投入する「カローラアクシオ/フィールダー」と「ヴィッツ」の新型車は、それぞれカローラ店とネッツ店の専売車として販売する。発売当初は各チャンネルの顧客基盤の代替を進め、20年5月に4チャンネル取扱車に切り替える。

ただ、小型トラック、バスなどごく一部は整備対応のため専売のままとする。

トヨタブランド車の全車種併売化は、東京都内のトヨタ自動車系直営ディーラーが統合して誕生したトヨタモビリティ東京(片山守社長)で4月から先行スタートしている。全国の販売会社でも複数チャンネルによる合同店舗が増えており、全車併売化を見据えた動きが広まっている。

日刊自動車新聞6月24日掲載

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