2019年6月24日
スバルとアマダオリイ、ヘリカルギア低コスト鍛造法を開発 加工時間も削減
無段変速機(CVT)などに使われるヘリカル(斜歯)ギアを切削より低コストで製造できる新たな鍛造法をアマダオリイ(旧オリイメック、坂木雅治社長、神奈川県伊勢原市)とスバルが共同開発した。今後、非鉄材料や他形状への加工への応用を目指す。
19日開幕した金型や加工技術の見本市「インターモールド名古屋」(ポートメッセなごや)で公開した=写真。ヘリカルギアなど複雑な凹凸を持つ部品は切削加工が主流で、鍛造成型では複数の金型を使い分けたり、型どおり正確に打ち出すため大型のプレスマシンを使うなどの必要があった。アマダオリイはプレスマシンの制御技術を活用し、材料の中空部分に油を満たし、断続的に加圧することで、歯の断面を金型どおりに成形することに成功した。加圧された油が芯金と同じ働きをし、大型のプレスマシンを使わなくても精度良く成形できるという。両社によると、切削加工に比べ加工時間は7割、設備面積は5割減らせ、成形精度の向上や摩耗粉が洗い流されることにより歩留まりも2割減る。製造コスト全体では3割下がる見込みという。
両社は「フルードパルス鍛造法」として共同特許を出願した。今後は量産技術への応用を急ぐ。スバルはまず、CVT用ヘリカルギア製造への導入を検討する。また、詳細な加工メカニズムが判明していないため、両社は横浜国立大学とメカニズムの解明に取り組み、銅やアルミなどの素材も加工できるようにしたり、他形状の加工への応用を目指したりしていく。
フルードパルス鍛造法は、加工前の材料中心が中空で、外周に歯形などの凹凸を作る部品に有効な加工技術だ。スバルは「電気自動車(EV)などでは銅やアルミの使用比率が増えていく。具体的にどの部品に応用するかはわからないが、将来的な材料置換を見込んで加工技術を今のうちから開発していく」と話している。
日刊自動車新聞6月20日掲載
開催日 | 2019年6月19日 |
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カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
主催者 | ㈱SUBARU、㈱アマダオリイ |
対象者 | 自動車業界 |
リンクサイト | アマダオリイホームページ https://www.amo.amada.co.jp/ |