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2019年6月24日

マツダ、サービス入庫平準化に着手

マツダは系列販売会社のサービス入庫の平準化を図る。入庫管理などの制度見直しやITを活用したサービス現場の見える化を推進し、生産性向上や残業削減に取り組む。これまで課題だったサービス入庫の月末集中の解消やメカニックの働き方改革を推進するのが狙いで、定着すれば顧客満足(CS)の向上や入庫台数の増加も期待できる。新型「マツダ3」投入を機に、次世代整備の需要もいっそう増えることから業務環境の整備や人材育成にもつなげる。

同社の系列販社では、顧客がクルマを購入してナンバーを取得する「登録日ベース」で点検・整備などの入庫管理をしている。販売が月末に集中することから、整備においても業務が月末に集中してしまい、業務量に偏りが出ることが重要課題となっていた。

サービス入庫の平準化に取り組むにあたって、顧客にクルマを引き渡す「納車日」を入庫管理の起点に変更する。顧客の都合に合わせた納車日をベースにし、点検・整備などの予約・入庫管理を行うことで入庫時期にばらつきが生じるため、一カ月の中で業務の平準化が可能とみている。
具体的な開始時期は明らかにしていないが、「制度の設計段階にある。できるだけ早く実施していきたい」(マツダ関係者)考えだ。将来的には「一年や一日などそれぞれのスパンでの業務効率化を検討していく」(同)という。

サービス入庫の平準化を進めたい背景には、系列販社においてメンテナンスパックを通じたサービス入庫が年々増加していることや、リコール(回収・無償修理)対応による業務量増加が挙げられる。整備業務におけるムダをなくすことで残業削減などの働き方改革にもメリットがある。
同社は5月に投入した新型マツダ3で、他銘柄客など新規顧客の獲得にも注力する方針で、メカニックの接遇力向上も重要課題に挙げている。そのため、つなぎの支給基準やクリーニングなどソフト面についても制度を見直す。将来のメカニック人材確保に向けて、自動車大学校・整備専門学校と連携して学生向けのセミナー開催なども活発化しており、今後は高卒人材や外国人人材も含めて「高い定着率を保つ職場環境の構築に努めたい」(同)との考えだ。

日刊自動車新聞6月20日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

マツダ㈱

対象者 自動車業界