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2019年6月19日

デロイトトーマツコンサルが意識調査、自動運転への関心が停滞

消費者の自動運転に対する関心に〝ブレーキ〟―。デロイトトーマツコンサルティングがまとめた「2019デロイト グローバル自動車消費者意識調査」によると、自動運転技術の実用化が進む中で、自動運転車の安全性に対する消費者の信頼が停滞していることが分かった。日本の消費者の50%が「自動運転車は安全ではない」と認識しており、実用化が近づく中で安全に対する不満がいまだ払しょくできていないことが表面化した。

自動運転車は安全でないと答えた日本の消費者の割合は、2017年調査時の79%から18年には57%まで一気に下がったが、19年は50%と微減にとどまった。米国や独国においては18年調査より19年の割合が上がっており、自動運転車の安全性を疑問視する消費者はむしろ増えている。自動運転車の事故の報道により、技術に対する警戒心が強まったと感じる消費者の割合は、日本の50%に対し、韓国が68%、米国が65%、中国が64%だった。米ウーバーの自動運転車が起こした歩行者死亡事故などの報道が、消費者の技術に対する見方に大きな影響を与えていることが分かる。
一方、電気自動車(EV)に対する消費者の関心は高まっている。代替え時のパワートレインについて、日本ではハイブリッド車(HV)が46%、EVは10%の消費者が選択したいと答え、HVやEVなどの「非内燃機関」を希望する消費者は59%に達している。

新しいモビリティサービスについては、消費者が自家用車の所有にこだわる傾向が出ており、今後も「現状維持」の見通しだ。ただ、毎日自家用車を利用している消費者の割合が米国の59%に対し、日本はわずか21%に満たなかった。複数の移動手段を一つのサービスとして捉えるMaaS(サービスとしてのモビリティ)はまだ一般的にではないことも分かった。
今回の調査結果を受け、デロイトグローバル自動車セクターリーダーのジョー・ヴィターレ氏は「EVや自動運転車両は、社会に大きな価値をもたらす。しかし、その安全性や費用、利便性について、消費者はこの最先端技術を一気に受容するには慎重になる可能性がある」と指摘する。同調査は先端技術開発など自動車産業に影響を及ぼす多様な課題に関する意見を明らかにするべく、18年の9月から10月にかけて20カ国、2万5千人以上の消費者を対象に意識調査を実施した。

日刊自動車新聞6月15日掲載

開催日 2019年6月11日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

デロイトトーマツコンサルティング合同会社

対象者 一般,自動車業界
リンクサイト

ニュースリリース 2019 デロイト グローバル自動車消費者意識調査

https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20190611.html