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2019年6月6日

トヨタ、整備現場にMR技術、ゴーグルに作業手順3D表示

トヨタ自動車は、現実世界に3D画像を重ねられるミックスドリアリティ(MR、複合現実)技術を活用したゴーグル型デバイスを整備現場で活用する。日本マイクロソフトは、2019年内に発売予定のMRデバイスがトヨタに採用されると発表した。

トヨタはまず、販売店の修理・点検業務で活用する。MRデバイスを装着すると、作業を行う該当部位の上に3D画像を重ねられるため、手順を直観的に示せる。整備士の習熟度を高め、技術レベルの標準化を進める。トヨタはマイクロソフトのMRデバイス「HoloLens2(ホロレンズ2)」を19年に導入し、順次、販売店に展開する計画だ。
デバイスをゴーグルのように頭部に装着すると、両手で作業を行いながら、作業手順書を確認できる。紙やウェブでの修理手順書では、実際の修理箇所を照合する手間がかかっていたが、MRデバイスを活用すると該当する部位の上に画像を重ねて作業を進められる。

トヨタはMRデバイス上で表示する3D作業手順書や修理書を独自に開発し、社内で検証してきた。これにホロレンズを組み合わせることで、経験年数が少ない整備士の作業品質や効率を短期間で向上する支援をする。さらに新人や未経験の整備士でも短期間で質の高い作業が可能になるとみている。

MRは、実際の物理空間に応じて3D画像を配置する技術。ホロレンズは、空間をセンサーでスキャンして、それに応じて画像を表示するため、車両の上に配線図などを重ねられる。また装着者の手の動きなども検知するため、画像を手で自在に拡大するなどの操作も可能になる。
トヨタは塗装の膜厚検査で、試作車にバーチャルの測定点を重ねるといった用途にもMRデバイスの活用を検証している。

日刊自動車新聞6月3日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

トヨタ自動車㈱

対象者 自動車業界