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2019年6月4日

整備業界、整備システム 工具と連携 作業履歴管理

整備業界において会計や顧客、入庫管理などに活用される〝整備システム〟で、点検時に使用する工具と連携して自動的に作業履歴を記録し効率化につなげる機能の活用が進んでいる。さらに、2022年に控える自動車検査証(車検証)のIC化や、24年から本格化するOBD(車載式故障診断装置)車検など先を見据えて、さらなる業務支援を実現するシステムの開発も進行。関連各社は、今後の普及に向けての取り組みを一段と活発化し、新規ビジネスの獲得を競うことになる。

ブロードリーフグループのタジマ(服部浩人社長、東京都品川区)は、同社のシステム「一新多助スマートシリーズ」と、京都機械工具(KTC)の工具などで測定したデータを記録可能な「TRASAS(トレサス)シリーズ」を連携させて、作業データを登録・管理できる機能を開発した。「6月から実用化する予定」(関係者)だ。

整備システムを開発するDICジャパン(松縄眞社長、長野県信濃町)は「KTCデジタルツール管理アプリ」をすでに開発しており、積極的に導入を促している。「測定値の管理だけでなく、エンドユーザーにそれらの記録を示すと提案の幅が広がる」(担当者)とみている。

また同社は、クラウド型の新システム「The車検クラウド」も開発。これまでのソフトウエアに加え、クラウド化をにらんだソフト開発も進める方針だ。同社のシステム「OSS一等書記官」では、OSS(ワンストップサービス)への対応に加え、今後、電子化される車検証の読み取りやOBD車検に向けた機能拡張も織り込んだ。整備事業者に最新のサポートを適宜、提供していく姿勢だ。
各社の従来システムはCS(顧客満足)向上を主眼に機能拡充が盛んだった。今後はES(従業員満足)にも寄与できる利便性を付与して企業力向上を支援し、更なる利用促進に弾みける考えだ。

日刊自動車新聞5月31日掲載

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