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自動車産業インフォメーション

2019年6月1日

環境省・経産省 大型車の電動化促進へ具体的に利用ケース想定しデータ収集

環境省、経済産業省などは2019年度に、大型車の電動化を促進するため、使用シーンごとの航続距離に関するデータ収集を始める。湾内のコンテナ輸送や路線バスなど、ルートが決まった特定エリアでの利用ケースを想定し、使い勝手や最適なバッテリー容量、充電タイミングなどを探る。大型車の電気自動車(EV)化は、低炭素効果が大きい半面、航続距離や充電時間を考えると長距離輸送に使用するハードルが高い。まずは限られた場面で従来車と同等の使い勝手や事業性を検証する方針だ。

環境省のプロジェクト「脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業」の一事業として実施する計画で、経産省や国土交通省と連携して進める。プロジェクト全体の予算は60億円で、このうちの一部を今回の事業に充てる。実際の輸送手段に、EVトラックを導入して事業性を検証する予定で、輸送事業者などを対象に今年度中に公募を始め、事業に移る。詳細な公募要件などは今後さらに詰める。
公共交通や物流部門で使うバスやトラックのEV・燃料電池車(FCV)化が狙い。16年度では、日本の自動車など運輸部門の二酸化炭素(CO2)排出割合のうち、トラック・バスは38・4%と日本全体の6・9%を占めた。EV化による環境負荷低減の効果は大きい。

一方、大型車EVの使い勝手という点では、ディーゼル車と比べた際の航続距離や大容量バッテリーの充電にかかる時間などの課題もある。長距離輸送で使用するためには、こうした問題を解決する必要がある。今回の事業では、路線バスや近距離配送など、車の走るルートが定まったエリアを中心に大型車のEV化を試みる。公共交通や物流分野で実際に使いながら、航続距離や最適なバッテリー容量、充電のタイミングなどに関する情報を調査・取得し、事業化の可能性を見出す。
商用車メーカーでもEVの開発・実用化が進んでいる。日野自動車は12年に「ポンチョ」のEVモデルを路線バス用で実現したほか、中国大手のBYDもEVバス「K9」を東北地方のバス会社に納入している。

経済産業省ニュースリリース5月29日発表

開催日 2019年5月29日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

環境省・経済産業省

対象者 自動車業界