2019年5月24日
中部経済産業局、東海地域の産業競争力強化戦略まとめ
経済産業省の中部経済産業局は、東海地域の産業競争力強化戦略をまとめた。ベンチャー企業の創出や製造現場に精通したIT人材を育てるほか、自動運転サービスやサービスロボットの実装を目指す。髙●淳・中部経産局長は「東海地域が引き続き、日本の成長エンジンたる地域になるための取り組みだ」と語った。今後、課題に応じて検討会を立ち上げ、具体案を練る。
有識者らによる「東海産業競争力協議会」がまとめた。同協議会は政府の「日本再興戦略」を踏まえ、2014年3月に「TOKAIビジョンをまとめており、今回は同ビジョンを改定する形で今後5~10年後を視野に目指すべき産業像や具体的な取り組みを整理した。
重点課題として(1)次世代モビリティや農業のスマート化など社会ニーズに合わせたモノ・サービスの提供(2)ベンチャー・スタートアップの創出(3)IT人材の育成・就業構造変化への対応(4)近未来技術の社会実装(5)リニア中央新幹線を契機とした地域作り―を掲げ、それぞれ具体案を練ることにした。
ベンチャー企業の創出では、海外や首都圏と比べてベンチャーが活躍できる地域としての認知度が低いことなどを踏まえ、関係機関や地域が連携して協業加速化プログラムを作る。IT人材の育成では、自動車を始めとする製造業が集積する地域特性を活かし、製造現場とITに精通し、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)導入の指南役となる「ITものづくりブリッジ人材」を増やす。育成のためのカリキュラムを産学連携で作るほか、シンポジウムやセミナーを開いて技能系人材を呼び込む考え。
自動運転などの新技術も国内に先駆けて実用化していく考えだ。すでに内閣府による「近未来技術等社会実装事業」に東海地域から4事業が選ばれており、自動運転サービスやドローン(無人航空機)による山間部への荷物配送、超小型モビリティのシェアリングサービスなどの実証が始まっている。中部経産局は引き続き、こうした取り組みを後押しする。
日刊自動車新聞5月21日掲載
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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主催者 | 中部経済産業局 |
開催地 | 中部地区 |
対象者 | 自動車業界 |