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自動車産業インフォメーション

2019年5月23日

リアルタイム道路情報 ヒア、国内本格参入

オランダの地図大手ヒア・テクノロジーズが日本市場に本格参入する。6月末までに、車両から得たリアルタイム性が高い情報と3次元デジタル地図を組み合わせたクラウドサービス「ヒアオープンロケーションプラットフォーム(OLP)」の日本仕様版の提供を開始する。企業はOLPを活用することで、例えば前方や周囲を走る車両から得た情報をもとに後続車両へ道路上の落下物の警告をしたり、空いている駐車スペースを通知できるシステムの構築が可能になる。すでに三菱電機と共同で商品開発しており、完成車メーカーやサプライヤー、大手IT企業などへも利用を促していく。

OLPは、位置情報に基づいたリアルタイムな道路情報を3次元デジタル地図と組み合わせたプラットフォーム。利用者はOLP上の地図情報と、自社が持つ気象データや交通情報、人の移動データなどを統合して検索・分析し、販売用データに変換できる。

米国や欧州、中国ではすでに展開しており、コネクテッドカーや路面状況の把握サービスなどで活用されている。日本では提携するパイオニアの地図データに、ヒアのプラットフォームを組み合わせて投入する。

三菱電機とはOLPを使って「レーンハザードワーニングシステム」を開発した。道路に落下物や路上障害があった場合、先行する車両に搭載したセンサーから得た情報をクラウドに収集し、後続車両と瞬時に共有する。自動車メーカーや農業関連企業、電機会社、大手IT系企業などとの提携も視野に入れている。物流業界向けにもリアルタイムの交通情報を活用した経路計画の最適化などで活用を促していく。
ヒアは自動運転用高精度地図(HDマップ)の作成にも力を入れている。今回の日本市場へのOLPの投入により、世界の主要マーケットをほぼカバーする。エザード・オーバービークCEOは「HDマップの作成には(道路上の)変化をデータベースに瞬時に反映させられるかが要になる」とし、OLPで収集したデータをHDマップの作成にも取り入れていく方針だ。

日刊自動車新聞5月17日掲載

開催日 2019年6月28日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

ヒア・テクノロジーズ

開催地 オランダ
対象者 自動車業界