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2019年5月16日

トヨタ南海グループ、外国人の活用加速 全拠点にベトナム人エンジニア

トヨタ南海グループ(久保尚平社長)が外国人整備士の活用を加速する。今後5年間で、同社が運営するトヨタ系チャンネルの全拠点に1人以上のベトナム人エンジニアを配置する。2級整備士資格を持つ人材を雇用し、自動車検査員の資格も取得させる。優秀な社員は将来、同社が持つベトナム拠点の幹部社員として帰国させる考え。日本国内の人材不足の解消に加え、現地ディーラーに日本流の“おもてなし”を伝承し、トヨタのブランド力を高める狙いだ。

カローラ店とネッツ店の新車・中古車拠点およびレクサス泉北(堺市北区)で稼働するサービス工場の全拠点にベトナム人エンジニアを配置する。
雇用後は通常の整備業務のほか自動車検査員資格を取得させて車検業務にも当たらせる。従来の保安基準適合証は手書きによる漢字、ひらがな、数値の記入が必要で、外国人の登用では記載事項の読解力や確実な記載が課題とされていた。日本自動車販売協会連合会大阪府支部がOSSと紐づけて運用する「e―継続システム」では、自動車検査証のQRコードを読み取ることで記載項目が電子保安基準適合証に反映される。漢字などの記載、打ち込みが一切不要となるため、同社では外国人整備士による車検業務が可能と判断した。
採用した外国人は、地元の整備学校で2級自動車整備士の資格を取得させ、生徒不足の解消にも役立てる。雇用期間は10年を超える見通しで、その間にトヨタ検定1級資格と顧客満足度の高い接客サービスの会得を目指す。
整備士の人手不足が深刻化すれば整備工賃の値上げにつながる懸念がある。日本とベトナムをまたいだ人材育成のサイクルを生かし、同等の価格水準の維持にもつなげる。
優秀な従業員は将来、幹部社員として子会社のトヨタナンカイ・ハイフォン(ベトナム)に送り込む。日本で培った整備技能と質の高い接客を現地スタッフに伝承させる。トヨタ系ディーラーが50拠点以上軒を連ねるベトナム市場で「トヨタブランドの地位向上に貢献してもらう」(久保社長)。帰国後の就労に道筋を付けることで、ベトナム人従業員の将来への不安解消を狙う考えだ。

日刊自動車新聞5月13日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

トヨタ南海グループ

対象者 自動車業界
リンクサイト

トヨタ南海グループホームページ https://www.tng.co.jp/