自動車産業インフォメーション

パナソニック、新戦略で車載事業へ再挑戦 電池は津賀社長が陣頭指揮

2019年5月16日

パナソニックは、今年度からスタートする新中期戦略で、当初の見込みより低収益が続いている自動車関連事業を「再挑戦事業」と位置付け、収益性改善を目指す。円筒形車載電池事業では津賀一宏社長自らが陣頭指揮を執るほか、車載用角形電池事業では2020年末までにトヨタ自動車との合弁会社を新設して協業を加速させる。一方で、米国の電気自動車(EV)メーカー・テスラ向けの円筒形電池の不安定な生産体制や米中貿易摩擦など懸念材料も多い。今後3年は「利益を成長軌道に戻すことを優先」(津賀社長)し、安定した経営基盤の構築を目指す。

16年に発表した計画では、車載事業を売り上げをけん引する「高成長事業」と位置付け、18年度に2兆円規模に成長させる目標を掲げた。しかし、9日に発表した18年度決算でオートモーティブ事業の売り上げは約1兆5232億円で着地(国際会計基準)。販売自体は拡大したものの、開発コストや固定費の増加に加え、テスラ向けの円筒形電池の生産体制が不十分だったことが響き、利益面では想定より伸び悩んだ。21年度までの中期戦略では車載事業を再挑戦事業に改め、顧客や商品で強みのある地域に集中した事業戦略を展開する。
オートモーティブと円筒形電池事業は津賀社長が先頭に立ち、開発費のコントロールやエリアや商品ごとに開発リソースの最適化を図る。テスラと共同運営する車載用電池工場「ギガファクトリー1」に関しては、「今投資しているものでフル生産に近づける」(同)と当面は稼働率向上を優先するものの「テスラが『モデルY』を来年投入すれば需要も増える。その先の投資に関してはテスラと協議する」との見方を示した。
角形電池は、20年末までに立ち上げを予定するトヨタとの合弁会社を通じ「広く競争力ある電池を安定的に提供する」(同)体制を整える。パナソニックはこれまで原則として自社リソースにこだわってきたが、津賀社長は「持続的利益の創出に限界がきている」と個社単位での開発の限界に言及し「他社との協業もいとわない」と、事業方針の転換を図る考え。
新中期戦略における最終年度の数値目標の発表は見送った。売り上げの約2割を占める車載事業への「再挑戦」の成功の有無が、同社の今後の明暗を大きく左右することになる。

日刊自動車新聞5月11日掲載

開催日 2019年5月9日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

パナソニック㈱

対象者 自動車業界
リンクサイト

パナソニック2018年度 連結及び単独決算概要・補足資料

https://news.panasonic.com/jp/press/data/2019/05/jn190509-5/jn190509-5.html

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