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2019年5月5日

日刊自特集〈新時代を迎えて/注目領域の最新状況を検証〉「知能化」データ収集が鍵

知能化技術が自動車の新たな可能性を広げようとしている。人工知能(AI)技術の進化と半導体の性能向上によって、自動運転の実現に必要な周辺環境の認識や最適な動作を適切に判断することが可能になってきた。米国では米グーグル系のウェイモが、自動運転車を活用したタクシーサービスを2018年末に開始。日本でも18年夏にタクシー大手の日の丸交通(富田和孝社長、東京都文京区)とZMP(谷口恒社長、同)が協力し、自動運転車を用いた公道でのタクシーサービスの実証を行った。両社は20年にも自動運転タクシーを実用化する目標を掲げる。

知能化技術が貢献するのは、自動運転技術の高度化だけではない。タクシーなどの配車を最適化するための予測にも使用され始めている。タクシー配車用プラットフォームを提供する中国の滴滴出行とソフトバンクの合弁会社DiDiモビリティジャパンは、AI技術で乗客の需要を予測している。ディー・エヌ・エー(DeNA)も、AIを活用した需要予測をドライバーに伝えるナビゲーションの導入を予定している。タクシーにかかわらず、需給のマッチングが可能になれば、移動サービスの稼働率向上や収益改善につながる。
ただ、自動運転にせよ需要予測にせよ、AIが賢くなるのは大量のデータがあってこそ。ソフトバンクとトヨタ自動車の合弁会社モネ・テクノロジーズは、ホンダや日野自動車との提携を発表。さらにコンソーシアムを立ち上げて、小売りや飲食などさまざまな業種とのデータ連携を視野に入れている。知能化技術のカギを握るデータ収集を巡る動きはこれからも活発化しそうだ。

日刊自動車新聞5月1日掲載

開催日 2019年5月1日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞社特集

対象者 自動車業界