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2019年4月30日

モータースポーツ業界、eスポーツに熱視線 JRPやトヨタなど、バーチャルレース開催を表明

モータースポーツ業界がコンピューターを使った対戦型スポーツゲーム「eスポーツ(エレクトリックスポーツ)」に熱視線を送っている。家庭用ゲーム機「プレイステーション4」の人気ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」を使用して競技会を催すもので、スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーション(JRP)やポルシェジャパン、トヨタ自動車がバーチャル・レースの開催を表明した。若者のクルマ離れが進む中、クルマに興味を持つユーザーの減少や、サーキットを訪れるファン数の伸び悩みが心配されている。各社はリアルなドライビングゲームを活用して車の面白さを発信、新たなファン層を開拓してモータースポーツ振興につなげていく。

JRPは日本自動車連盟(JAF)が認定する新しいデジタルモータースポーツイベント「スーパーフォーミュラ・ヴァーチャルシリーズ」を開催する。6~8月にかけて全国3カ所のイオンモールで地区大会を行い、上位者による決勝大会を行う。決勝は10月27日に開催されるスーパーフォーミュラ最終戦の鈴鹿サーキットで実施する計画だ。

ポルシェジャパンが開催するのは「ポルシェEスポーツレーシングジャパンシーズン1」。実車で競う「ポルシェカレラカップジャパン」「ポルシェスプリントチャレンジジャパン」に続く、3つ目のワンメイクレースシリーズと位置付ける。4~5月の3日間、オンライン予選を実施。上位10人は6月16日に富士スピードウェイで開催するブランドイベントに招待し、決勝レースを行う予定となっている。

トヨタは新型「スープラ」を使ったバーチャルレース「GRスープラGTカップ」を開催する。グランツーリスモシリーズを活用したeスポーツでは初のグローバルワンメイクレースで、4~10月にオンライン予選を実施。決勝は10月に東京モーターショー会場でリアルイベントとして開催する。同社は“eモータースポーツ”をトヨタガズーレーシングとして展開するモータースポーツ活動の柱の1つに置いている。

各社で共通するのは、eスポーツと言えどもバーチャルの世界のみで完結させていない点だ。予選はネット上で行なうものの、決勝はサーキットや自動車イベント会場というリアルな場所で行う。競技参加者やギャラリーに実車と触れ合う機会を提供し、リアルのクルマの魅力を体感してもらいたいという考えだ。
eスポーツはクルマやモータースポーツに関心を持つ1つのきっかけ。将来はリアルな世界でクルマに乗り、サーキットでモータースポーツを楽しむファン作りにつなげることが狙いになる。

日刊自動車新聞4月27日掲載

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