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2019年4月23日

ダイハツ、完成車輸送を無人で 工場から港まで、台車を開発

ダイハツ工業は、完全無人での完成車輸送の実現に向けた研究開発を始めた。自律走行する台車の上に、完成車の前輪を載せることで、無人での輸送を目指す。まずは工場から港までの完成車の搬送で実証実験を始めた。中長期的に予想される人手不足に備えるとともに、完成車輸送の効率化につなげる。

「D-amsel(ダムセル)」と呼ぶ、自律走行が可能な台車の研究開発を行っている。ダムセルは、衛星システムを用いることで自車位置を把握するとともに、プログラミングに従って定められた区間を自律的に走行するという仕組みだ。このダムセルに完成車の前輪を載せて、無人での搬送を可能にしようとしている。

特に完成車の組み立て後から海上輸送の船までの搬送での活用を見込んでいる。このほどダイハツ九州の大分(中津)工場から中津港までの約3キロメートルの専用道路で実証実験を開始した。商品を傷つけずに搬送できるかなどを検証している。これまでは、全て1台1台の完成車にドライバーが乗り込んで運転し、工場から港まで搬送していた。
国内では少子高齢化による影響で中長期的に人手不足が深刻化していくとみられる。自動搬送が可能なダムセルによって、対応したい考え。また自動搬送が可能な範囲を広げることができれば、物流効率の改善にもつながる。

2019年1月1日付で新設した「くらしとクルマの研究所」で研究している。同研究所は、自動運転や電動化などによって自動車業界が大きく変化する中、ハードウエア、ソフトウエアの両面からモビリティを進化させるための先行研究をする部門。

日刊自動車新聞4月19日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

ダイハツ工業㈱

開催地 ダイハツ九州の大分(中津)工場から中津港
対象者 自動車業界