会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2019年4月22日

中国メーカー、激化するEV開発競争 5G対応急ピッチ コネクテッド化も加速

上海モーターショーでは、地元中国の地場資本メーカーが数多く出展しており、相次いで電気自動車(EV)のコンセプトモデルを発表するなどEV競争が激化している。最大手の上海汽車集団(上汽集団)が第5世代(5G)移動通信システムを用いた無人運転車の検証を上海市内で来月から始め、2020年にも世界で初めて量産すると発表するなど、自動運転やコネクテッドの技術開発も一層進む見通しだ。

中国では国を挙げてEVの普及に取り組んでおり、購入補助金に加えて、通常のエンジン車では取得に多額の費用と時間のかかるナンバープレートを、EVには優先的に無料で配布する施策を行っている。こうした後押しを受けて新興メーカーはもとより、既存大手メーカーもEVへの傾斜を強めている。

◆BYD
中国のEV最大手のBYDは、新たなコンセプトモデル「E―SEED GT」を初公開した。若年層向けのスポーツ型EVとして2020年初頭から販売を開始する。また新型「宋pro」も展示し、7、8月には発売を予定している。「『唐EV』も含めて売れ行きは悪くない。次世代EVとして浸透させたい」(担当者)考え。

◆漢騰汽車
上海など都市部に比べて所得が低い内陸部においては、安価で整備に使用する部品の調達がしやすい国内メーカーのEVに注目が集まっている。中国南東部の江西省に本社を置く漢騰汽車は上海モーターショーでEV「幸福e+」を初公開した。価格は未定だが、5、6月には本格的に市場に投入していく。

◆上汽栄威
EVと並んで、今回高い関心があったのが5Gへの対応だ。自動運転などコネクテッドにおいては欠かせない部分となる。
上汽集団傘下の上汽栄威は、5G対応のコンセプトカー「Vision―i」を初公開した。無人運転の技術を搭載しており、20年の販売開始を目指す。実現すれば世界初という。これに伴い中国メーカーでは初となる無人運転の走行テストライセンスを取得。来月から上海市内にある同社の体験型施設と安亭地区の専用道路にて完全無人運転の検証を始める。その他、1キロ以内に接続したスマートフォンがあれば自動駐車が可能な4G対応の「MARVEL X」も展示した。

◆中国移動通信
5Gへの対応力を急ぐのは自動車メーカーだけではない。携帯電話事業において世界最大の中国移動通信は5Gや自動運転など次世代技術に対応できるプラットフォーム「OSCAR」を展示した。今後、5Gが一般化した段階で国内外問わず自動車メーカーに提供していく考えだ。「われわれはクルマ自体は作れないが、サポート役ではなく通信技術を生かしたイニシアチブを獲得したい」(担当者)と述べた。

日刊自動車新聞4月18日掲載

カテゴリー 展示会・講演会
主催者

日刊自動車新聞社まとめ

開催地 上海(中国)
対象者 自動車業界