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自動車産業インフォメーション

2019年4月16日

経産省 「自動車新時代戦略会議 詳細」(下)電動化

経済産業省が電動車の普及に向けて今夏に設立する協議会には、自動車メーカーだけでなく、電力会社や住宅メーカー、自治体など多様なメンバーが名を連ねる。移動手段に加えて、電力を供給する“エネルギーインフラ”という面を切り口に、社会の幅広いシーンでの電動車の利用方法を探る。使用後の車載電池も中古車や家庭向け定置用蓄電池として再び利用できる可能性もある。国内普及台数が低い電気自動車(EV)も、車の外とのつながりが広がれば活躍の場が増えそうだ。

◆電力会社や住宅会社巻き込んで
世耕弘成経産相や自動車メーカー首脳などによる自動車新時代戦略会議は、2018年7月に中間まとめを公表。50年までの長期ゴールとして、日本車1台当たりの温室効果ガスの排出量を10年比で8割程度、乗用車は9割程度削減する目標を打ち出した。政府としても、ハイブリッド車(HV)やEVといった次世代車の普及目標として30年に50~70%を掲げる。こうした野心的な計画の達成には、二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない電動車の一層の普及が不可欠。ただ、17年実績で見ると、EVとPHVの国内普及台数は1%に満たないのが現状だ。
電動車の社会利用を増やそうと経産省や企業などが注目したのが、移動手段以外のプラスアルファの使い道だ。最近では、災害時の非常用電源としてEVやPHVが活躍する場面が増えている。また、新車で使用した後のEV用高容量バッテリーを、産業や家庭用の蓄電池として再利用できる可能性もある。
電動車をエネルギーインフラとして活用する上で「自動車メーカーだけでなく、電力会社や車を使う側の事業者などを広く巻き込んで取り組みを進めていくことが大事」(経産省製造産業局自動車課)となる。そうした社会連携の場(プラットフォーム)として、今夏に新協議会を発足することを決めた。

◆使用後のバッテリーも再利用
「電動車活用社会推進協議会」は、トヨタ自動車や日産自動車に加え、東京電力ホールディングス、積水ハウス、ヤマト運輸など幅広い業種から38社が参加する。また、東京都や大阪府、愛知県など自治体サイドも加わる。
主に、EVやPHV用車載電池の再利用方法の開発や商用車・社用車での電動車利用の拡大などに取り組む。
EVの今後の普及拡大を見据え、新車として使用した後の電池のリユース方法を検討。「使用後の電池の価値を評価し、使い道が出てくればリセールバリューが出る。そうすれば電池の価格を抑え、EVの普及につながる」(同)。使い方によって劣化具合が異なる電池の残存価値を業界で統一の基準で評価するガイドラインを19年度中に策定する方針だ。

日刊自動車新聞4月12日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

経済産業省

対象者 一般,自動車業界