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2019年4月12日

京都先端科学大学入学式で“永守節”、明るい未来を願う社会で戦える人材を

「大学の偏差値、ブランド力なんかクソくらえ。実力主義の社会で戦える人材を育てる」―。3日に、みやこめっせ(京都市左京区)で行われた京都先端科学大学の入学式で、日本電産の会長である永守重信理事長の“永守節”がさく裂し、会場は熱気と笑いに包まれた。

永守氏は昨年に京都学園大学(1日に京都先端科学大学に名称変更)の理事長に就任した。個人資産100億円以上を投入し、大学改革を進めている。
永守理事長は「なぜ、企業家の私が大学経営に関与しているのか。経営者として大学生を面接し、大勢採用してきた。一流大学卒業者でも全く即戦力にならん。日本の大学が、企業が期待する人材として育てていないことに危機感を覚えた」と経緯を語った。
日本電産は、これまで約7千人の学生を採用した実績がある。こうした経験を踏まえ、同大学では改称を機に、社会に出て即戦力になる人材育成に注力する。永守理事長は「これまでの京都学園大学の延長線上ではない。完全に新しく生まれ変わったと思ってほしい」と呼びかけた。

新入生に向けて、「第一志望の大学に落ちて、今ここに座っている学生もいるだろう。人生100年時代に突入したのに、10代で負け犬になっていてどうする」と厳しい言葉を投げかけて鼓舞する場面や、「京都先端科学大はこれからどんどん伸びていく。志願者数も増えていく。今年はたまたま受験者数が少ないから皆さんは合格できた。来年だったら落ちているかもしれませんよ」と冗談交じりに話す場面もあった。
2019年度の総志願者数は3738人。このうち一般入試・センター入試志願者は2435人で、昨年度の1・63倍となった。来年4月にはモーターなどを研究する工学部を設立し、志願者数を着実に増やす構えだ。

永守理事長は「京都大学を抜く」というフレーズを何度も繰り返した。「偏差値では勝てない。でも、グローバルで見た時、京大よりも実力のある学生を輩出する」と強調しつつ、「この会場で2日後に京大の入学式がある。我々の方が先に行った」と付け加えると会場は爆笑の渦に包まれた。
永守節は約28分間にも及んだ。「今日の持ち時間も10分と言われているが、こうやって話していると明日の朝になってしまう。これ以上話したら後の予定が狂うのでこのへんにしときます」と笑いを誘い、「最後に学生の皆さんにとって、明るくて夢見る未来がくることを願っている」とエールを送って締めくくった。

日刊自動車新聞4月9日掲載

開催日 2019年4月3日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

京都先端科学大学

開催地 みやこめっせ(京都市左京区)
対象者 大学・専門学校,自動車業界
リンクサイト

京都先端科学大学ホームページ https://www.kuas.ac.jp/new-history/