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2019年4月11日

富士キメラ総研調査、世界の車載電装システム市場 2030年までに2.2倍

富士キメラ総研は、2030年の車載電装システムの世界市場を調査した。先進運転支援システム(ADAS)と自動運転システムの拡大により車載電装システム全体の市場は2017年比2・2倍の50兆5955億円になると予測している。

自動化レベルの定義でレベル1(安全運転支援)とレベル2(部分的な自動化)に該当するADAS市場は、30年に同2・4倍の1兆1513億円となる見込み。システム搭載の義務化が世界規模で広がり、25年までに生産ベースの搭載率は80%を超える見通し。20年代前半は日本、米国、欧州で先行するが、21年ごろからは中国でも急速に増加。30年までには世界最大の市場になると見られる。デバイスの低価格化により、新興国でも簡易的なADASの採用が広がる見込みだ。
ADASの延長線上にある自動運転システムは、レベル3(条件付の自動化)、レベル4(高度な自動化)、レベル5(完全自動化)を指す。現在は一部の欧米メーカーから発売されているが、20年には日系を含む複数の完成車メーカーがレベル3モデルの投入を計画している。このため市場は各国で急拡大する見込み。

自動運転システムの中核デバイスであるLiDARなどのレーザースキャナーは、価格が高いため一部の高級車に採用が限られている。だが、21年ごろからはMEMS式などの価格の安いLiDARの採用が広がる見込み。このため30年ごろまではレベル3車を主体に、自動運転システムの市場は同451・2倍の2兆2108億円になると予測する。
これらのことから車載電装システムの市場は、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車系が同9・8倍の19兆6879億円に拡大。システム全体の市場の約4割を占めるものと見られている。

日刊自動車新聞4月8日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

㈱富士キメラ総研

対象者 自動車業界
リンクサイト

富士キメラ総研ホームページ https://www.fcr.co.jp/