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2019年4月5日

政府懇談会提言、燃料から走行全過程で温室効果ガス排出ゼロ目標 官民で技術革新

地球温暖化防止に向けた政府の長期戦略の基本的な考え方を議論する有識者懇談会が2日、提言をまとめた。2050年までに80%の温室効果ガス排出削減という目標に加え「今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の実現を目指す」との文言を盛り込み、カーボンフリー化への姿勢を鮮明にする。目標達成に不可欠な技術革新を官民で進めるとともに、日本発の環境技術を国際展開する。自動車など運輸部門では、燃料から走行までの全過程の温室効果ガス排出をゼロにする取り組みに重点を置く。

有識者からなる懇談会「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略策定に向けた懇談会」は18年から開催し、今回で5回目となった。懇談会からの提言を踏まえ、政府は関係省庁と調整し、今年大阪で開催予定のG20(先進国首脳会議)までに長期戦略としてまとめたい考え。

日本は50年までに80%の温室効果ガスの排出削減という長期目標を掲げている。今回の提言には、50年以降のできるだけ早い段階で脱炭素社会を目指すという野心的な目標も取り入れた。
その達成には水素製造などで非連続的イノベーションが不可欠とし、ビジネス主導の技術革新の必要性を指摘した。国内での排出削減により、世界全体にも貢献していく。

自動車をはじめ運輸部門は、燃料から車両に使われるまで全過程の排出量をゼロにする「ウェル・トゥ・ホイール・ゼロ・エミッション」の視点を取り入れる。同時に、50年までに、乗用車1台あたりの温室効果ガス排出を10年比で9割程度減らす目標で、電動車を普及させる。
産業部門では特に、製造工程での脱炭素化を推進する。水素を使いながら、素材や材料を製造する過程のカーボンフリーを目指す。
エネルギー面の目標として、二酸化炭素(CO2)フリー水素の製造コストを10分の1に減らし、天然ガスよりも割安にする。CO2の回収・利用(CCU)の商用化技術も数年内に確立するとした。

日刊自動車新聞4月3日掲載

開催日 2019年4月2日
カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

政府

対象者 自動車業界