ホンダカーズ光東（東日出夫社長）を展開する光東（同社長）グループは２５、２６日の２日間、山口県下松市の同社で高校生らを対象に「ＥＶ（電気自動車）ハイスクール２０１９」を開催した。山口県内の工業高校の生徒らを対象に、分解式のキットを用いて、ＥＶを分解、組み立て、試乗を行う。同社のメカニックが指導しながら作業することで、ものづくりの面白さの体感を促すのが狙い。同時に、ＥＶ制作を通じ、高校生にメカニックの魅力ややりがいを訴求し、将来の職業として整備士を増やすことを狙う。

今回の取り組みでは初日にＥＶを分解した後、２日目に組み立て、完成した車両に試乗した。高校生に作業を通じてメカニックとしての面白さを喚起する。参加したのは山口県東部の下松工業１０人、徳山商工５人の合計１５人の生徒。

当日は３グループに分かれて作業を行った。参加費用は無料。講習に際しては岩手県の専門学校と企業らが共同開発したトレーニングキット「ピウス」を活用した。参加者は「普段触れる機会のない工具を使って作業することは新鮮で楽しい。分からないことが多くて大変だが、クラスメートと同じ班でコミュニケーションが図りやすいのが利点。女性でも周りが助けてくれるのでハンデは感じない」（下松工業高校２年生・宮島愛生さん）、「手順を確認しながら間違えないようにしっかりと取り組みたい。ものづくりに興味があるのに加え、将来は人の役に立つ仕事をしたいと考えており、進路としてメカニックを視野に入れている」（徳山商工３年生・石川颯一さん）と感想を話している。

同様の取り組みを２８、２９日も実施する。参加するのは南陽工業２人、岩国工業９人の１１人。２回合計で２６人が受講したことになる。同社では「高校生らの真剣な眼差しが頼もしかった。今後は山口県東部だけでなく、中部、西部でも開催し、メカニック不足解消に役立てたい」（東祐作総務部経営企画課長）としている。

日刊自動車新聞3月28日掲載