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自動車産業インフォメーション

2019年3月15日

経産省、FCVの普及拡大へ 水素価格3分の1に、ST開設コストも半減

経済産業省は燃料電池車の普及拡大に向け、燃料としての水素そのものと水素ステーション(ST)の低コスト化を目指す。水素の価格は現在、「ハイオクガソリンと同等程度」(経産省)だが、2030年には3分の1以下まで下げる。また、水素STの開設コストは5億円程度だが20年には半減することで開設の動きを加速、30年には全国で900カ所程度の全国ネットワークを構築する。こうした具体的な目標は、12日にまとめる「水素基本戦略」に盛り込む。

水素の価格は現在、1ノルマル立法メートル(Nm3)当たり100円。これは1キログラム当たり約1100円で、FCVの走行性能で比較するとハイオクガソリンと同等になる。
経産省ではエネルギー業界と共同して水素の製造や運搬の方法を多様化・効率化を進める考えで、30年には1Nm3あたり30円、50年には同20円に引き下げることを目指す。これにより「天然ガスの輸入コストとほぼ同等になる」(同)とみている。

一方、水素STは現在、4大都市を中心に113カ所ある。これを20年に160カ所、30年に900カ所に広げる。ST関連設備業界の技術開発やコスト圧縮を支援することで、20年には2億3千万円程度の投資で開設できるようにする。
現在、1億4千万円程度の価格となっている圧縮機を6500万円程度に、1本当たり1250万円程度の蓄圧器を350万円程度に、100回の充填で交換が必要なホースの耐久性を650回で交換まで上げる。また、20年にはSTが無人で運用できるように関連法令を見直す。
水素基本戦略のロードマップでは、FCVの低価格化や車種バリエーションの拡大も目標に設定する。こうした具体的なコストや性能の目標を掲げることにより、産業界に技術開発を促す。ロードマップは毎年、進捗状況を確認し、目標の必達につなげる。

日刊自動車新聞3月12日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

経済産業省

対象者 自動車業界