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2019年3月12日

トヨタ神戸自大、新たに2学科新設 次世代にらんで

トヨタ神戸自動車大学校(大塚生介校長、神戸市西区)は、来年度から「ショールームスタッフ科」と「車体整備専攻科」の2学科を新設する。次世代をにらんだ自動車の整備や接遇に対応したスキルを習得してもらい、ディーラーなどが求める新しい人材の輩出を目指す考えだ。

今年4月に開設する学科のうち、ショールームスタッフ科は女子が対象。ディーラーでの接客や精算業務などに特化した授業を展開。2年・2100時間のカリキュラムのうち、900時間で自動車に関する専門教育を実施する。3級整備士の資格も取得できる。
また、450時間かけて接客対応やマナー教育を集中的に行う。さらにフラワーアレンジメントや英会話、プレゼンテーションなどショールームスタッフとしての活動に生かせるあらゆるスキルに磨きを掛ける「一般教養科目」も設ける。定員は1学年40人。
車体整備専攻科は1年制で、2級整備士資格の取得がメインとなる自動車整備科の上級課程として設定した。トヨタ検定3級レベルの板金塗装技術や、エスティメーション(見積もり)の知識を習得できるカリキュラムを組んだ。技能を習得してもらうため、新たに塗装ブースやフレーム修正機などの設備も整えた。溶接や有機溶剤作業主任者の資格取得もできる。車両のレストアやカスタマイズも実習する計画だ。
高度なセンシング技術を採用した先進安全システムの普及が進む中、こうした装備の確実な作動を回復させるため、フレーム修正を伴う車体整備の需要が高まっている。それらに対応できる技術力を持った整備士育成は大きな課題となっている。
トヨタ神戸自大の系列校であるトヨタ東京自動車大学校(松浪良樹校長、東京都八王子市)も今年度から「ボデークラフト研究科」を新設し、次世代自動車に対応できる人材の育成に力を入れている。
加えて、女性整備士の確保も急務だ。日本自動車整備振興会連合会(日整連、竹林武一会長)が調査した「平成30年度自動車分解整備業実態調査」によると、女性の整備士数は1万605人で前年比303人減少している。整備士全体において女性が占める割合も3・1%と未だ少数だ。少子高齢化が進む中で女性が整備士資格を取得するだけでなく、ライフイベントに左右されることなく持続して働くことができる業務内容や職場環境づくりへの必要性は高まっている。トヨタ神戸自大は、女子に特化した新学科で女性の強みを伸ばすカリキュラムに取り組み、自動車業界が求める人材の育成に貢献していく。

日刊自動車新聞3月8日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

トヨタ神戸自動車大学校

開催地 兵庫県神戸市西区
対象者 中高生,自動車業界
リンクサイト

トヨタ神戸自動車大学校ホームページ https://www.toyota-kobe.ac.jp/