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自動車産業インフォメーション

2019年3月12日

政府、相乗りタクシー検討 自家用有償運送も緩和

政府は、タクシーの“相乗り”の仕組み導入と自家用有償旅客運送制度の拡充に向けた検討を始めた。道路運送法など法改正が必要なものについては1年後の次期通常国会に法案を提出、法改正が不要なものについては2019年度中に実施することを視野に入れて議論する。海外のライドシェア(相乗り)大手が日本への進出を進める中、今後、交通事業者との協調の仕方によっては新たなシェアリングサービスが生まれる可能性がある。
政府は7日、未来投資会議(議長=安倍晋三首相)を開き、タクシーの相乗りと自家用有償旅客運送制度の拡充について議論した。

海外では一般的なタクシーの相乗りだが、日本では現状、実証実験以外では認められていない。低料金で利用できるほか、タクシー事業者にとっても1台で複数の人を運べるため生産性向上などのメリットがあり、18年1~3月に東京で実施された実証実験では、74%の客が「また利用したい」と回答するなど期待感も高い。
政府はITを使った乗客のマッチングや最適ルートの設定、割り勘料金の事前確定、キャッシュレス決済などのサービス導入を前提に、全国での導入を目指す。法改正は不要で、関係省庁の通達で実現可能だとみている。
一方、自家車を使った有償旅客運送制度は現在、鉄道やバスなど公共交通がない空白地域で、市町村やNPO法人などが運行管理者としてサービスを提供する場合に道路運送法で認めているもの。全国440市町村で導入済みで、利用者は地域住民に限定している。ただ、サービス導入には運行主体である自治体の負担が大きい。運行管理を担う専任担当職員が不在のケースが多く、配車や安全管理などの業務も高いハードルとなりかねない。

こうした実態を踏まえ、政府としては、タクシー事業者が持つノウハウを自家用有償運送に生かす。タクシー事業者に運行管理を委託し、実施主体に参画できるよう道路運送法の改正を検討する。これにより、安全できめ細かなサービスを確保でき、自治体の負担軽減にもつながる。利用者も地域住民だけでなく、観光客も対象に加える考えだ。

日刊自動車新聞3月8日掲載

開催日 2019年3月7日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

政府

対象者 自動車業界