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2019年3月5日

大阪ソーダ、尼崎工場でリチウム電池向けカーボンナノチューブ今夏にも生産開始

大阪ソーダは、車載リチウムイオン電池などに使用するカーボンナノチューブ(CNT)の生産を今夏にも開始する。尼崎工場(兵庫県尼崎市)で製造する。中期的に約30億円を投じ、量産体制を構築する。また、取り扱いやすさを高めるため、一般的な粉末形状に加え、分散液としても生産する。

CNTは、炭素を主原料とする素材で、軽量な上に銅と比べて約1千倍の高い電流密度耐性を持っている。このため、電動車両に搭載されるリチウムイオン電池の電極材をはじめ、幅広い領域での応用が見込まれている。

同社が手がけるのは単層型CNT。名城大学発のスタートアップ企業である名城ナノカーボンと共同開発した。多層型と比べ、純度が高く、導電性、熱伝導性が高い。導電助剤として電極に使用することにより、電池容量を増やせるため、リチウムイオン電池を小型軽量化できる。同社によると、正極重量あたり0・3%のCNTを添加した場合、電池容量は80%向上するという。

単層型の課題はコストだ。同社は、主力事業のカセイソーダ製造で発生する水素ガスをCNTの生産に再利用する生産技術を確立。製造コストの低減につなげる。開発担当者は「コストはまだ改善の余地が残っている。ただ、付加価値の高さから、車載電池用途でも採用を検討する企業は増えている」と話す。
富士経済の調べによると、電気自動車の世界市場は2035年に17年比14・8倍の1125万台に拡大する見通し。リチウムイオン電池の付加価値を高める新素材を拡販し、事業拡大につなげる。

日刊自動車新聞3月1日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

㈱大阪ソーダ

開催地 大阪ソーダ 尼崎工場(兵庫県尼崎市)
対象者 自動車業界
リンクサイト

http://www.osaka-soda.co.jp/ja/index.html