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2019年2月28日

超高級車市場が活況、インポーター各社 SNSを活用して情報発信

超高級車ブランドの存在感が増している。インポーター(輸入業者)各社はSNS(交流サイト)を活用した情報発信やサーキットでの試乗会、拠点網の拡大などを進めている。ブランドの露出を増やすことで「手が届かないクルマ」という概念を取り払い、新規顧客の開拓につなげる。

日本自動車輸入組合(JAIA)によると、昨年の外国車ブランドの新規登録台数に占める1千万円以上の車両の構成比は6・8%、2千万円以上は1・1%だった。統計開始以来、ともに過去最高。とくに2千万円以上は、絶対数こそ少ないものの、03年の0・1%と比べ販売を確実に伸ばした。

英マクラーレン・オートモーティブは18年、前年比約4割増の222台を販売した。限定車「600LT」を昨年発表したほか「720Sスパイダー」の納車も来月から始まる。同社は公道やサーキットでの試乗会や購入検討者向けの車両貸し出しも始めている。正本嘉宏日本支社代表は「マクラーレンはレースのイメージが強いが、本来は乗りやすく運転がしやすいクルマという“隠れた魅力”をユーザーに感じてもらうことが狙い」と話す。SNS経由の情報発信にも力を入れていくという。

英アストンマーチン車の18年の販売台数は約300台。直近3年で2倍に増えた。今年は450台が目標だ。同社は「アストンは本当に欲しい人だけが見つけて買うラグジュアリーブランドだった。その基盤を大切にしながらも、今後はスポーツ性能を武器に新しい顧客を増やしていく」(日本広報)と意気込む。現在は「DB11」にしかないパフォーマンスブランド「AMR」の設定車種を増やすほか、初のSUV「DBX」を今秋に投入する。年内に新たに東北と北海道に販売店を新設して拡販を狙う。

昨年、過去最高の543台を日本で販売した伊ランボルギーニ。初のSUV「ウルス」も好調で、昨年の供給分は完売したという。19年以降には「アヴェンタドールSVJ」も投入予定だ。
これまで富裕層向けに特化したマーケティングを展開することが多かった超高級車ブランド。しかし、母体である輸入車市場の伸長で新たな販路が増えつつある今、従来とは異なる手法で広域的なアプローチをし、新たな顧客層の開拓を図っていく。

日刊自動車新聞2月25日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

日本自動車輸入組合

対象者 自動車業界