中小企業庁は、小規模事業者や中小企業の経営者が抱える課題やその対応を書籍にまとめた。２０１８年版の「中小企業白書」と「小規模企業白書」をベースに具体的な事例をピックアップし、再度、取材した上で一つ一つのストーリーに仕立てた。同庁が白書に基づいた書籍を発刊するのは初めて。実際の現場での知恵が満載された書籍となっており、「これを参考に、経営課題の克服に取り組み、成果をあげてほしい」（中小企業庁）としている。

書籍のタイトルは「儲かる中小企業　人手不足に負けない１１１のポイント」とした。
中小企業庁では毎年４月、人手不足や後継者問題をはじめとするさまざまな経営課題の分析や課題解決のヒントになる企業の事例を盛り込んだ中小企業白書と小規模企業白書を公表している。ただ、この二つの白書は、合計でＡ４サイズのペーパーが約８００ページにもなるもので、多忙な経営者が仕事の合間に手軽に読めるものではなかった。

書籍では、両白書に掲載した計１１３件の事例のうち１１１件を抜き出すとともに、複数の事例について再取材。経営者が直面した課題や解決に向けた苦労、成功に向けた努力などを分かりやすくとりあげた。業界の慣習から脱却して生産性向上につなげた事例やＩＣＴの活用で省力化を実現した事例など、さまざまな現場の工夫を紹介している。また、精密金属加工を手がけるダイヤ精機（東京都大田区）の諏訪貴子社長と元大リーガーの斎藤隆氏による対談「リーダーシップで会社を変える」なども掲載した。

日刊自動車新聞2月22日掲載