2019年2月22日
産総研、原子時計を超小型化
産業技術総合研究所と東京工業大学、リコーは19日、超小型で超省エネの汎用原子時計を開発したと発表した。自動車に搭載すると、高精度な測位に基づいた自動運転の実現に貢献する。また、スマートフォンや小型衛星などにも組み込むこともできる。5年後の実用化を目指す。
原子時計は、原子と電磁波の共鳴現象を一般的な時計で利用される水晶発振器の周波数とリンクさせて計時するもの。一般的な時計よりも、精度が高い計時が可能で、米国のGPSなど衛星測位システムでも採用している。ただ、従来の原子時計は、体積が数百立方センチメートルと大型だった。
開発品のサイズは内寸で33ミリメートル×38ミリメートル×9ミリメートル(体積は約15立方センチメートル)。マイクロ波で変調したレーザー光をセシウム原子に照射する「コヒーレントポピュレーショントラッピング」と呼ばれる技術を採用して超小型化を実現。さらに、構成部品の見直しや高精度化により、消費電力を従来の数百ミリワットから60ミリワットに下げた。大型の原子時計とほぼ同等の「1日あたり300万分の1秒以下」という精度を達成した。
汎用の小型原子時計を自動車やスマホ、携帯電話の基地局などで利用すれば、トンネルや海底、ビルなどの室内などGPSの電波が届かない場所での時刻同期による高精度測位が可能になり、自動運転技術などの飛躍的な革新が期待されるという。
日刊自動車新聞2月20日掲載
開催日 | 2019年2月19日 |
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カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
主催者 | 産業技術総合研究所、東京工業大学、リコー |
対象者 | 一般,自動車業界 |
リンクサイト | 産総研ニュースリリース2月19日発表 https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2019/pr20190219/pr20190219.html |