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自動車産業インフォメーション

2019年2月21日

国交省、排ガス・燃費の測定施設を拡充

国土交通省は、排出ガスや燃費を測定するための施設を充実する。独立行政法人・自動車技術総合機構の交通安全環境研究所(東京都調布市)にあるシャシダイナモ(台上走行装置)試験室に空調・断熱設備を導入し、セ氏マイナス7度からプラス38度の範囲で環境を変え、排ガスや燃費を測定できるようにする。燃費測定モードとしては現在、国際的に「WLTCモード」が採用されているが、国交省は同モードの測定方法の変更を視野に入れ、先行して基礎データを収集して国際的な議論をリードしていく考えだ。

国交省は2018年度の第2次補正予算で、空調・断熱設備1基の導入費用として1億8千万円を確保した。近く、既存のシャシダイナモ試験室で設置工事に着手し、1年程度で本格稼働することを目指す。
現在のWLTCモードでは、セ氏23度に固定した環境下で測定試験を実施することと国際基準で定められている。ただ、温度の変化によって、燃費や排ガスのデータが変化する可能性もあるこのため、「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」などの国際機関では、まずは20年までに低温環境下での試験法を確立、その後、高温環境下での試験法を確立する方向で議論している。国交省は、新しい試験法の確立を見据えて、まずは日本車の燃費性能など現状を検証し、基礎データを収集する。これにより、新しい測定モードが日本車にとって不利にならない試験法となることを目指し、基礎データをWP29などの国際的な議論の場に提出するなど、議論を主導していく考えだ。

日刊自動車新聞2月18日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

開催地 自動車技術総合機構・交通安全環境研究所(東京都調布市)
対象者 自動車業界