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2019年2月3日

国交省、完成検査不正への罰則強化 車両法改正案 今国会に提出

国土交通省は、不適切な完成車検査をはじめ、型式指定制度における不正行為に対する処分を強化する。

自動車メーカーなどで不正行為が発覚した際には、これを是正させる命令を発出する措置を新設するほか、国交省による立ち入り検査を妨害した場合や命令に違反した場合には重い罰則を与える方向で検討する。道路運送車両法を改正し、不正行為の抑止や是正のための担保として活用する。車両法の改正案は開会中の通常国会に提出する予定で、成立後、速やかに施行するものとみられる。

日産自動車やスバルなどの自動車メーカーでは2017年秋以降、生産した車両の品質や保安基準適合性を確認する完成検査の工程で、無資格者による検査や検査データの不適切な扱いなどの事案が相次いで発覚した。これを受けて国交省は、有識者らで構成した「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース」で対応を検討し、その提言を受けて関係省令の改正なども実施してきた。ただ、省令は是正措置の実施を勧告するという行政指導にとどまっており、それでも是正されない場合などへの罰則措置は設けていなかった。

このため国交省では、車両法の改正により是正措置の実施を命令するという行政処分を新設する。合わせて、省令で規定していた型式指定の取り消しや効力停止といった措置を法律に格上げする。
さらに、不適切事案が懸念される場合や発覚した際、国交省は当該企業の生産現場などへの立ち入り検査を実施しているが、検査の妨害やデータの隠蔽などが発覚した場合、命令に従わない場合には法人や個人に重い罰則を科すことも検討している。
改正法に違反した場合は刑事告発の対象となり、企業は重い社会的制裁を受けることになる。国交省は、こうした厳格な措置が実施できる制度設けることにより完成検査における不正行為を抑止し、型式指定制度の適切な運用につなげる考えだ。

日刊自動車新聞1月30日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界